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70 じゃがいも
¥9,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510693 ========== からか、すぐにノミを持っている左手の手首が痛くなってくる。これも習慣化することが有効だと思う。抽象彫刻だから、終わりが明確ではないけれど、毎日1時間くらい削ってみようかなと思う。それで1週間後にできていた形を完成という風に決めておこうかなと思う。具象的な作品を作れるようになるのはもう少し時間がかかると思う。しばらくは木を彫り進める感触自体を楽しみつつ、1週間に1体くらいの感じで何かしらの作品にすることを続けていこうと思う。絵の方は引き続き身の周りのものを描き続けることにする。田んぼのなかにガラス片が落ちていて、足の裏をすこーしだけ傷つけた。気を付けた方がいい。夜ごはんに早速とってきたジャガイモを使った。鶏肉とジャガイモで肉じゃが的なものを作った。美味。昨日、割と遅くまで起きていたので、朝に更新できなかったので、夜に書き進める。今日はずいぶん昼寝をした気がする。9 時半に布団に入り、目が覚めたのは2時だった。気が付くと、足元の床で猫がちょこんと姿勢正しく座っている。飲みかけの炭酸水の残りを飲む。川の音がする。いつもと同じ音だ猫がトイレに行き、おしっこをした。そろそろトイレ砂を変えてやりたい。そのあと足元の方へ寄ってきて、ミャウ、と目をくりくりさせながら鳴く。何を伝えたいのかわからない。机の上に飛びあがり、画面をふさぐ。おなかがすいたのだろうか、餌の袋をバリバリをやり始める。仕方ないので少しだけ、ほんの数粒だけご飯皿にのせてやり袋を台所へ隠す。朝、目が覚めると商品が2セット売れていた。もうナイフの残りが少ないのだけれど、あいかわらず三木章からは何の連絡もない。小学校から帰ってきて、玄関先のシロツメグサの花を摘んできた。というのも、その辺に生えているシロツメグサからパン用の酵母を起こせるという話を聞いたからだ。片手で握りしめられるくらいの量だ。それを水でざっと洗ってから瓶に放りこんだ。ちょっとだけ甘いような香りがする。そしてその瓶を水で満たして窓辺のちょっとだけ暖かそうな場所に置いておいた。3、4日が経って、思い出した頃に見てみると、瓶の中の水は白く濁り、水面に小さな泡が出ている。開けるとぷしゅっと空気の抜ける音がする。匂いは何とも言えない、甘いような苦いような不思議な香りだ。ちょっとお酒のようでもある。もうよさそうだな、そう思って、また別の煮沸消毒した瓶を用意する。そこへその液体と小麦粉とを1:1の割合で入れ、ゴムベラを使ってよく混ぜる。どうなるかはわからない。成功なのか失敗なのか、はたまたどちらでもないのか、でもまぁ、いい。これは実験。蓋を閉め、また例のちょっと日当たりのいい場所に置いておく。じゃがバターを食べた。新じゃがの味噌かんぷらも作った。夜ごはんは味噌かんぷらの残りの甘い味噌を隠し味として入れたカレーを食べた。ナスがおいしい。少し食べすぎた。カレーを作る 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510697 ======= 画材:キャンバス、アクリルガッシュ サイズ:220×273mm ※額縁は付属しません。
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71 窓辺
¥5,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510694 ========== と調子に乗っていつも食べすぎてしまう。何枚か絵を描いた。1枚は以前撮ったつぐはるの写真をみながら描いた。描いていると猫が近寄ってきたので、7、8枚、実際のつぐはるを見ながら描いた。実物を見ながら描いた最初の1枚がすごくよく描けたと自分では思う。このごろ、布団に入って目をつむると、何かの絵らしき像が瞼の裏側に張り付いて見えることがある。どこかで見たことのあるような絵な気もするし、そうでない気もする。今日見た絵はピンク色の背景に女性の横顔が抽象化された絵だった。ピンクというよりも、くすんだ紫色だろうか。そういう絵。この前は寿司屋のカウンターのようなものがある室内。そのカウンターの向こうに白い板前さんの服を着たタコが2人(?)並んでいて、席には客が1人、店の床にはマンホールのような穴が1つ空いていて、そこからタコの足が出ている。全体的に淡い色調。パステル調といってもいいかもしれない。明度の高い、黄色、緑、紫が印象的。このあいだ高校時代の友人が死んだ。美術部で仲のよかった奴だ。絵がうまくて、卒業後、一浪してムサビに行った。卒業してから特に連絡を取っていなかったのだけれど、この間、訃報のお知らせが回ってきた。どうして死んだのか、どのように死んだのか、僕は全然知らない。もしかしたら、瞼の裏側に張り付いていたのは、彼の絵なのかもしれないなんてことを思ったりする。僕の知っている彼の絵とは少し違うような気がするけれど、どうなんだろうか。訃報を聞いて彼の名前をグーグルで検索してみた。色調は明るく、形はあいまいに解体されていた。その絵のイメージに近いのかもしれないと思えてきた。特に2枚目はそんなイメージの絵のような気がしてきた。たぶんそれは大きめの油絵だ。いつか描いてみようか。下絵だけでも残しておこうか。描きはじめる。いや、もしかしたらこの文章が残っていればいいような気がする。これで十分ではないかと思って描くのをやめた。チケットを買い、ゲートをくぐる。ぷらぷらとあてもなく歩く。しばらく歩き回って、気が付くと目の前にはライオンがいた。ふてくされたような顔で伏せている。たてがみはほつれた布切れのようで少し汚れているような感じだった。時折、その長いしっぽをふわっと宙に持ち上げる。最頂点で一瞬とまったかのように感じた直後、すぐに重力を思いだして、再びぺたりと地面に戻る。ライオンは時折そんなことを退屈そうに繰り返している。僕はそれを眺める。ペタン、ライオンのしっぽが強めに地面を叩いた。男が反射的に一瞬注意をそちらへ向けると、ライオンと目が合った。その瞳は僕をすり抜けた向こうの景色を見ているみたいだった。更新しないの?とMに言われた。なにをカッコつけていい文章にしてから公開しようとしてるの?と。こんな文章の更新を待っているとのこと。それはとてもうれしい。全部読んでなくてもいいから更 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510698 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:257×182mm ※額縁は付属しません。
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72 木曽川の眺め
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510697 ========== 新を待ってくれる存在がいる。それだけで書く意味がある。彼女は僕のたった一人の読者。猫に起こされ、目が覚めた。ご飯をいつもの半分だけあげる。昨日はあまりよく寝られなくて、なんとなくぼーっとして、動けなかったので、少しだけペンレストの材料の切り出しをした後、布団の中で過ごした。光に包まれて眠るのは嫌いじゃない。何か夢をみた。思い出せないけど。携帯を開くと絵が売れていた。あのパソコンが壊れた日、パソコンの画面とにらめっこしてMが過ごした1日に描いた絵。「仕事」というタイトルをつけて販売していたのだけれど、それが売れた。商品が売れました、と通知が来ていたので、何かなと思ったら絵だった。うれしい。絵が売れるのはうれしい。前に長野でマーケットに出店していろんなものを売った時にも絵が売れた。スプーンとか小皿も買ってもらえた時も、それはもちろんうれしいのだけれど、絵が売れたときはそれとは違う感覚がある。描き続けよう、そういう気持ちになる。いや、それはなんか違う気がする。なんだろう。気持ちを決まった型の言葉の中に押し込めているような感じがする。なんていうか、認められたんだなっていう感じ。その買ってくれた人がどういう気持ちで買ってくれたのかはわからないけれど、その創作物に対してお金を払ってくれた、というのは、なんていうか、僕の中では認められたんだなって感じがする。それはたぶん絵にはそんなに明確な機能というものがなくて、ただ存在するだけでしかないからじゃないかなという気がする。ただ存在している。そういうものの存在を認めているという風に感じる瞬間だ。なにかの役に立つわけではないけどそこに在る。そういうものを生み出して、そこに何かしらの価値を見出してくれる人がいるのなら、僕は作り続けられる気がする。僕の感覚だと、あのページで今売っている絵の中で、あの絵はそれほどよく描けたものではないような気がするのだけれど、なぜあの絵が選ばれたのだろう。そういう選択の差みたいなものは面白いと思う。僕とMは結構選択の癖のようなものが似ていると感じる。二人でいると、なかなかそのことに気が付けなくなってしまう気がする。具体的には思いつけないけど、誰が買うんだろう、というようなものが、世の中ではいろいろ売られてるような気がする。きっと売れるから売っているんだろう。そういう当たり前のことを忘れてしまう時がある気がする。無意識のうちに、なにか普通のようなものを作りだしてしまう。そういう風に思う時がある。それをあまり押し付けないようにしようとは思うのだけれど、無意識のうちにそういう風になってしまう時というのが、きっと人には誰しもあって、まぁ、この話はそうならないように気をつけようね、という所にしか着地しないわけだけど、なんか今、そういうことが頭をよぎったので書いておくことにしようかなと思う。ポケ 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510702 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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73 猫とMの肖像
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510698 ========== モンに例えると僕は「ヌマクロー」なんだそうだ。なんか見たことあるような、ないような種類のポケモンだったけど、確かに似ているような感じはある。だいぶ始めのうちからそう思っていたらしい。僕はMのことを「ムチュール」だと思っていた。僕はポケモンの名前にあまり詳しくないのだけれど、テレビで時々ポケモンが流れていたからか、形だけわかるポケモンが結構いる。ムチュールはそのうちの一体だ。名前が思い出せないので、記憶を頼りにメモ帳にスケッチをしてMに見せた。伝わらなかったようで、あれ、もしかしてこいつはポケモンじゃないのかは?とか思い始めたのだけれど、いろいろ調べて、結果「ムチュール」だと判明した。そうわかってから絵を見ると、確かにそれはムチュールのような、そうでないような絵だった。小学校へは夕方になってから行った。まだ工事は続いている。床の材質は全部リノリウムになるらしい。それに伴って掃除の方法が変わるらしい。どんな風にやるのがいいと思うかと何人かの先生に別々のタイミングで聞かれた。帰りがけにコンビニのポストに絵を投函した。車を走らせていると、雨が降ってきた。笠置峡のところの風景が見たことないような雰囲気になっていたので、車を停めて写真を撮った。いい写真が撮れた。釣りをしている人がいる。光がカーテン状になって水面に降りている。明るい感じがするけれど、雨が降っている。ついさっき、その写真をツイッターにアップしたのだけど、その投稿には誤字があった。雨がふると書きたかったのに雨がるるになってしまった。雨がるる。なんかかわいい音の響きだ。雨がるる。るるる。るるん、雨がるる。ふる雨るるる。雨がるる。スプーンのキットを買ってくれた人が、完成品の様子をツイッターに投稿してくれていた。いい感じにできている。また買ってくれるとのこと。楽しみだ。木の表面が黒っぽい感じがしたのが気になる。刃物に触れて変色したのだろうか。ペーパーをあまりかけなかったのだろうか。あとでどうにかして伝えられたらいいなと思う。家に帰ってきて、絵の具と紙を注文した。あとモデリングペーストを頼んでみた。キャンバス布を実家からもってきているので、それを張って少し大きめのアクリルの絵も描きたいなと思っている。あとは額縁も作りたい。それをどういう風に1日の中で、あるいは1週間の中で配分するか、考えどころである。昨日は木彫はやらなかった。代わりにペンレストの切り出しを少しだけやった。スプーンキットの材料もぼちぼち切り出さないといけない。今日は少しそれをやっておこうかなと思う。彼女が最近引きこもっているのには何か理由があるのだろう。それに薄々とは気が付いていたのだけれど、あまりちゃんと話さないでいた。それについて話した。人にあまり会いたくない。電話にも出たくない。そうして引きこもっていると、そのことに後ろめたさを感じてしまって、いっ 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510703 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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74 ゆず畑
¥2,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510702 ========== そう引きこもりが加速する。そういう悪循環。そういうこころの動きはよくわかるような気がする。そんなの気にしなくていいんだと、思い込もうとしてもあまり意味はなく、そう思えればいいんだけど、なかなかそうは思えないものだ。人にどう思われてもいいから、好きに生きたらいい。そういう風に思っている筈なのだけれど、その通りに生きていくのは結構難しい。自意識が過剰なんだろうか。ほんとうは誰も僕らに対して大した感情は抱いていなくて、別にどうってことのないことなのだろうか、よくわからない。いろいろと先延ばしにしてきたことがある。オーディオも作っていないし、稲の苗も借りたまま。店をもうやらないということもまだ伝えていない。なんか面倒なことを先のばしにしてしまうのをやめたい。できないことを引き受けるのもやめたい。どうせ途中でやりたくなくなるのだから、自分たちだけでやりたいことを形にしていくのがいい。頼まれごとは基本断る。そういう風に生きられたらいいなと思う。期待に応えようとしないこと。そしてそもそも期待されないようなふるまいをするということ。どうなんだろう。期待できない人と思われたらそれもまた生きづらいのだろうか。たぶんそうなんだろうなという気がする。Mは今日金髪にしてくるんだそうだ。ビワの実を拾った。小学校の角の所に1本の小さな木が生えていて、それが実をつけていたのだ。ずっと何の木かな?とは思っていたのだけれど、ふと気が付いた時には淡いオレンジ色をした実をつけていた。そうか、これはビワの木だったのか、と僕は眺める。木自体は小さいのだけれど、たくさんの実をつけている。そして僕は木の根元のあたりを見渡し、地面に転がっている実を3粒拾った。表面の短い産毛がの猫の額のところの毛のように柔らかだった。甘いような香りがする。何のために拾ったのかというと、食べるためではない。種を取り出して庭に植えてみるのだ。Mがビワを食べたいとこの前いっていたので、庭に植えて、毎年食べられるようにしてやろうと思ったのだ。皮をむいて、傷んでなそうな部分をちょびっとだけ齧ってみる。まだ未熟なような感じがしたけれど、それは確かにビワだった。実をほじくると中から小豆のような赤茶色の種が出てきた。梅の種みたいなのを想像していたけれど、思っていたよりも小さな種だった。ビワを最後に食べたのはいつだろう。カップにさらしを敷き、種を置いて、種が半分だけ浸かるくらいまで水をいれる。こうしておくと芽が出るらしい。芽がでたら植え替えて、8~10年したら実が採れるようになるらしい。また気の長い楽しみが生まれてしまった。この拾ってきた3粒のビワで10年楽しめる。いや、実をつけたらそのあとも毎年この時期になればビワを楽しめるわけだから、それはもう、一生楽しめることになる。去年、梅の種とゆずの種を育苗ポットに入れて、いつ芽がで 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510704 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:210×148mm ※額縁は付属しません。
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75 木と倉庫
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510703 ========== るのか、まだかまだかと楽しみに待っていたのだけれど、「何を植えているの?」と近所の人たちに聞かれ、梅とゆずと答えると、それは無理だよと笑っていわれた。何年かかるか知らないの?と。そう言われて、僕は何となく恥ずかしいような気持ちになって、植えた種を畑にばらまいてしまった。芽が出てもたぶん草刈りの時に刈り取られてしまうだろう。今思えばそんな言葉気にしないで育て続ければいいじゃないかと思うのだけれど、なんとなくその時はもういいや、みたいな気持ちになってしまった。梅の実はまたいつかチャレンジしたい。きっと芽は出るし、そのうち木になる。無理というのは何が無理なんだろうと思う。ゆずも梅も種からは育たないのだろうか、もう、今のゆずや梅の実には種から増える能力がないのだろうか、じゃあ、種ってなんなんだ。打ち棄ててしばらくしてそんなことを思う。たぶんそんなことはないだろう。種は殖えるためにあるものだ。ちゃんと条件をそろえれば芽が出て育っていくはずだ。自然はしたたかなものだと思う。ちゃんと生き抜く術を自分自身の中に持っている。スーパーやコンビニで売られ、どんなに飼いならされたような風を装っていても、その中に「野生」のようなものを隠し持っている。葉物野菜は種ができる前に大半が収穫されてしまうけれどそれも戦略なのだろう。レタスも白菜もキャベツも絶えることなく、生き延びている。人間の方が利用されているのだ。そういうしたたかさ、野生のようなものはあらゆる自然物の中に身を隠しているのだ、ということが、今の場所に引越してきて、畑で野菜を育て、田んぼをやって、猫を飼い、木を削って、料理をしているとわかるようになってきた。野菜もそう。木もそう。稲もそう。その中に荒々しい野生のようなものを隠している。どんなに花がきれいでも、いや、花がきれいであればあるほど、その中にはより凶暴な野生が潜んでいるような気がする。猫もそう。かわいさの中にそういうものが確かにあるように感じるし、人間だってそうだと思う。ビワの木を切り倒したことがある。大きな木だった。会社の寮の裏手に大きなビワの木が生えていて、それが隣地にはみ出してるとかなんとかで、管理が面倒だから切ってしまおうということになり、みんなで切った。あれはたぶん僕がはじめて木を切り倒す現場に立ち会った体験だった。どん、と地響きがして、その木の一生が終わった。枝の先にはいくつものオレンジ色の実がついていた。お稲荷さんを作った。結構手間のかかる料理で砂糖をたくさん使う料理だなと思った。つくり方はこんな感じ。まず油揚げの油抜きをする。沸騰したお湯に入れ、強火で10 分くらい落し蓋をして煮る。煮汁を捨て、そこに、だしと砂糖を入れてまた8分煮る。この時も落し蓋をする。8分経ったら、しょうゆを入れ、火を弱火にして、また煮る。今度は弱火で30分だ。これもなんて気の長い楽しみな 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510706 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:210×148mm ※額縁は付属しません。
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76 姫栗の坂
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510704 ========== んだろう。だしと砂糖、しょうゆの甘い香りがする。もうすでにお稲荷さんの香りだ。タイマーをかけ、本を読みながら待つ。匂いが漂ってくる。我慢できなくて煮汁を少しだけなめる。お稲荷さんだ。そこにはお稲荷さんがいる。米が炊けた。本当は少し硬めに炊かないといけないらしかったのだけれど、うっかり普通に炊いてしまう。もしかしたら、いつもよりも少しだけ柔らかいくらいだったかもしれない。次につくる時には気をつけないと……。ボウルにアツアツのまま取り出し、酢と砂糖を混ぜたものをかける。すぐに扇ぎながらさささっと混ぜて酢飯の完成。さらしをかけて粗熱が取れるのを待つ。そうこうするうちに揚げの方もいい感じだ。煮汁がだいぶなくなっている。火を止め、こちらも冷めるのを待つ。待っているあいだに、畑に行って水をやる。人参がだいぶ大きくなっている。空心菜ももう少しでいい感じになる。去年のサトイモが変なところから芽を出しているのに気が付いた。揚げを対角線で切り、三角形にして、破かないように気を付けながら内側と外側をひっくり返す。何枚か破けたけど無事に全部開けた。酢飯の方もいい感じ。ゆずの果汁をすこしだけ入れ、揚げの煮汁を手に付けて、米をつかみ、一口サイズに丸める。揚げに詰め込む。甘い香り、これは間違いなくおいしい。脳に直接届く感じだ。全部詰めて完成。破れてしまったのをひとつ味見。おいしい。大好きなやつだ。翌日の昼ごはんに出先で食べようとタッパーに詰めた。さて、そろそろ出かける準備をしないといけない。昼ごはんには昨日のお稲荷さんが待っている。ちょうど配達の仕事を終えた頃、雨が降り始めた。短い時間さっと降り、そしてぴたりとすぐに止んだ。ずっと運転して、疲れたので家に帰ってからしばらく昼寝をする。配達の途中で、隣に座っているМが「あ、ビワがなってる」というので、見ると、本当だった。僕らの家の畑なのだけれど、家から遠いので、草刈りしかしていない畑の隅っこに大きなビワの木があった。橙色の実がたくさんなっている。どうして去年気が付かなかったんだろう。昼寝を終えて雨もやんで、日差しが戻っていたので、ビワをもぎに行こうということになった。バケツ片手に畑まで歩いていく。遠いといっても全然歩ける距離だ。散歩がてら歩いていく。それはこの前に小学校の角のどころで見たものよりもだいぶ大きいビワの木だった。樹高はどのくらいだろう、てっぺんまででいうと、5メートルくらいあるだろうか。いやそんなにはないかもしれない。でも大きい。よく熟した橙色のビワの実が一箇所につき5,6個まとまって、それが木の全体に明かりを灯すように点々と付いていた。手の届くところの実をもいで食べる。甘い。熟していて、実を取るときに触れた他の実がひとつ地面に落ちていった。食べた実からは大きな種が出てきた。この間のビワの種とは全然大きさが違う。たぶん体積的に考える 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510708 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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77 Mとつぐはる
¥12,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510706 ========== と8倍くらいあると思う。そう、イメージの中にあったビワの種はこんな感じ。と思った。イメージとしてはカシューナッツくらいの大きさだ。手の届くところの実をどんどん取っていく。産毛がふわふわしているものもあれば、実の表面がつるんと、ツルツルしているものもある。この違いはどうして生まれるのだろう。実はとりきれないほどあった。このあいだ、種を育て始めたけど、なんかその必要ないんじゃないかという気がした。これだけとれる木がもうすでにあるとすると......。まぁ観察したいので育ててみることにする。手の届く範囲のものを粗方とった。上の方にはまだまだ綺麗そうなのがいっぱい枝先にくっついている。Mが木登りをしてそれを取ってくることになった。僕が行ってもよかったのだけれど、Mがやる気だったので、僕は「落ちないでね」と下でバケツを片手に見守ることにした。その心配とは裏腹にするすると登っていくM。僕はMがもいだ実を受け取りバケツに入れる。上の方の実はきれいだ。ふわふわしていて実も大きい。もっと上にいけばまだまだあるったけれど、これ以上取れても困ってしまうんじゃないかと思って、適当なところでやめておいた。家に帰って重さを量ったら大体3キロくらいとれたらしい。家に帰ってからまたいくつか生で食べた。おいしい。なんて贅沢なんだろうと思う。このあいだ、ゆずの木も植えたし、畑には栗の木が3本生えている。秋は栗とゆずで十分。あとは春先にブルーベリーとかイチゴがあれば最高だなと思う。夏にスイカもいいかもしれない。一袋分、綺麗そうなのを選んでお隣さんに持って行った。町の草刈りの仕事を代わりにやってほしいと言われ、4,000円もらった。家に帰ってビワジャムを作り始めた。まずは皮むき。これが大変。そして種と種のまわりの薄皮むき、これも大変。そして砂糖をまぶし1時間ほど放置、その間に風呂に入る。風呂から出て、少しして煮詰め始める。まずは果汁だけで煮る。新鮮だったからか灰汁は全然でなかった。すこしトロみがでてきたかなと思ったら火をとめ、果実を入れ、また煮る。根気強く煮込んでいく。昨日今日とどれだけガスを使っただろう。甘い香りがする。実の部分の重さの68%くらい?グラニュー糖を入れた。こげないようにかき混ぜながらコトコト煮込む。途中少し味見をする。種をさっとゆで、種の薄皮も同時に剥いておいた。後で香りづけに使うつもりだ。杏仁みたいな香りがした。どのくらい煮込んでいいのかわからなかったので、調べると、コップ一杯の水にジャムの液を垂らしてその液体の水中での広がり方によって見分けられるということが分かった。試してみるとちょうどいい感じらしかったので、種と(レモン汁がなかったので) ゆずの果汁とを入れてまたしばらく煮た。先ほどと同じ方法ですとんと、コップの底までジャムの液が落ちていくまで煮込んだ。火を止めて瓶に入れる。蓋を 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510710 ======= 画材:キャンバス、アクリルガッシュ サイズ:410×318mm ※額縁は付属しません。
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78 水辺の町
¥9,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510708 ========== して逆さにしてテーブルの上に置いておいた。Mがジャムと同時に作ってくれていた晩ごはんを食べた。ジャガイモ、エリンギ、お麩、たまねぎ、コジケイのハムの塊、そんなのを昨日のお稲荷さんの煮汁で煮込んだもの。おいしかった。そうそう、配達の途中の昼ごはんとして、昨日作ったおいなりさんを食べたのだけれど、いい感じだった。なんか運動会みたいだった。お稲荷さんは冷たくなっていた方がおいしい。保冷剤をもってきて、冷やしておいて正解だった。今度、誕生日に動物園に行こうという話になっているのだけれど、その時にもお稲荷さんをお弁当としてもっていくことにしようと思う。あとは唐揚げとかだし巻き卵、そのころには庭で育てているプチトマトも食べられるようになっていることだろうと思う。いっぱい作ってもっていくんだ、と想像する。ジャムを作り終え、もう結構今日はくたくた。味見してみたけれどもっと砂糖は少なくしてもよさそう。9時ごろに布団に入る。目覚めると1時半だった。睡眠時間は4時間か、少し短い気もするけれど、ぱっちり目が覚めたので、起きてこの文章を書き始める。眠くなったら昼寝をすればいい。このごろ、オンラインで結構注文をしてもらえていて、本当に本当にうれしい。飛び跳ねるくらいうれしい、というか、本当に飛び跳ねている。4日連続で注文が入っていて、思っていたよりもナイフの減りが早くて、もう右利き用のナイフの在庫がなくなってしまった。追加の注文をしてから2週間くらい経つけど、いつ届くだろうか、明日問い合わせてみようと思う。この調子でいけば、かなりいい感じ。毎日好きなことをして過ごして、お金にも困らない、そんな状態を作れるかもしれないという手ごたえがある。まぁ、ぼちぼちやっていくつもりだ。昨日のビワジャムを少し舐めてこようかな。今日はパンを焼こうかなと思う。この間から育て始めた、シロツメクサの酵母もいい感じになってきているので、それをもう少し増やしてそれでも食べてみたいなと思うけど、とりあえず今日はまたイーストのパンを焼くことにする。部屋は甘い香りで充ちている。もいできたビワを使ってマフィンを作る。第一弾、もいできたビワの皮をむき、種を取り出してから、刻んで生地に混ぜる。ほのかなビワの甘味。第二弾、先ほどの生地に先日作ったビワジャムを入れる。よりビワの味を楽しめる。ちゃんと甘くて、僕はこっちが好きだ。第三弾として、プレーンを焼く。全部で36個のマフィンができた。自分たち用に取り分けた後、普段お世話になっている方々へのお返しにした。ビワがすごく好き、という方がいたので、もう1回ビワの木に登って摘んできた。猫は窓辺で川の流れを見ている。朝食を食べ終え、気分も落ち着いたらしい。床には何枚もの絵が散乱している。抽象に向かっていて、1日に何枚も生み出している。だんだんと紙がもったいないような気がしてきたので紙は 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510711 ======= 画材:キャンバス、油彩 サイズ:273×220mm ※額縁は付属しません。
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79 水面
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510710 ========== A4 のただのコピー用紙を使うようにした。借りていた稲の苗トレーを洗って返すつもりだったけど、家にいっぱい余ってるからなにかに使って!と言ってくれたのでありがたく頂戴することにした。子供たちがかわいい。今日は何を書こう。昨日はいろんなことがあったような気もするのだけれど、あんまり書く気にならない。結構無理やりだったけど、なんとか今日も10枚分書いたらしい。今日は結構苦戦した。まぁ、取り合えず朝食にしよう。今日も書く。昼に書いたり、朝に書いたり、夜に書いたりしているけれど、今は昼だ。どんな時間帯に書くかということがどんな文章になるかということと関係しているように感じる。今日は何について書いた文章になるのか、今の僕にはまだわからないけどとにかく成り行きに任せて書き始めてみようかなと思う。小学校から帰ってきて、Mがパンを食べたいというので捏ねた。いまは一次発酵中だ。1回目はとりあえずこのあと昼食の時に食べる用にイーストで、2回目はこの間玄関先で摘んできたシロツメクサから起こした酵母を使って実験してみている。暑いのでイーストの方はすぐに膨らむと思うけど、シロツメクサはどうなるか未知数な部分が多い。でも、昨日、元種を瓶の真ん中らへんまで増やしておいたものが瓶からあふれかえるくらいまでは膨らんでいたので、生地を膨らませる力は十分だと思う。問題は味がどうなるかという所だと思う。もう6月が終わる。今日は夏の陽気だ。昨日、お隣のおじいさんに梅の木を剪定してほしいと頼まれた。やったことないけどいいかと聞いたらそれでいいというので、今日の午後にでも少し行ってこようかなと思う。このごろは忙しかった。仕事がというわけではなくて、梅やらビワやらをどうにかしないとどんどん傷んでしまうので、それらをジャムにしたり何なりで時間が結構かかってしまった。まぁ楽しくてやっていることではあるのだけれど。そのうえパンまで焼いて、いつ仕事してるの?という感じではあるのだけれど、なんとなく、のんびり暮らしていて、家計的にはどうしてかはわからないけど、どうにかなったりするので面白い。まぁ、正直なところ、もう少しお金をゲットしたいところではあるのだけれど、それを得るために自分の今の暮らしを損ないたくないという気持ちが強くある。いつか実家から持ってきていたキャンバスがあるので、木枠を作ってキャンバスをつくろうかなと思う。このごろ考えているのは、とにかくスケッチをA4のコピー用紙にどんどん描いてみて、その絵を下絵にして、というか、そのスケッチから受けたインスピレーションでキャンバスに何かを描く、そういうやり方についてだ。キャンバスを前にして、なにを描こうか、と困ってしまわないようにするためのアイデアだ。文章については、とにかく、どんどん書いていくということがだんだんとできるようになってきた。今日の文章もな 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510712 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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80 窓辺
¥5,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510711 ========== んの脈絡もなく、とりあえず、思いついたことを書き連ねているだけだけれど、取り合えず手が止まることはない。今日はこの調子でいえば、1時間もあれば目標達成かもしれない。この文章は手を動かす練習だから、内容はなんだっていいと思って書いている。昨日の日記では少しだけ、物語のようなもの(2023.02.11 追記。編集時に省略した。別の本に収録予定。) を書いたけど、とりあえず10枚、という日課であるこの文章の中ではそれはやらない方がいいかもしれない。物語を書こうとすると、やっぱりどうしても手が止まりがちで時間がかかってしまう。物語版のテキストファイルを作ってそこに書いていくのがいいのかなという風にも思ったけれど、書いている間に気が変わってきた。この文章は全部ごちゃまぜにしよう。物語だって、とにかく書くようにしよう。ひどい出来だってかまわないじゃないか。最近の僕の一つの気づきというか、こういう方針で行こうと決めたことの一つとして、「自分で自分の作ったものを評価しない」というものがある。自分で書いた文章、自分で描いた絵、自分が作った木工品、それらすべてに対して、良いとも、悪いとも思わず、ただ、大切に扱う、ということがものを作り続ける秘訣なんじゃないか。とにかく作ったものはみんな公開してしまって、その出来がどうとか、内容が面白いとかつまらないとかそういうことはどうでもいいんだという態度で行こうと思う。でないと作り続けられない気がする。さて、何を書こうか、描いた絵をたくさんスキャンして、クリアファイルに閉じた。そして、すべてオンラインショップに出品した。風景やら人物やらいろんなものが描いてある。抽象画もある。いま自分はいままでで一番絵を描くという行為そのものを楽しめていると思う。まだ書き終わっていないけれど、そろそろパンの様子を見てきた方がいいかもしれない。暑いのでふくらみが早いかもしれない。切り分けて、成形してきた。やっぱりふくらみが早い。パンを作れるようになったのはすごく嬉しい。この半年くらい結構頑張ってパンを作るようになって、暮らしが豊かになったような気がする。パン屋さんの真似事のようなこともして、数を作ることにもそれほど抵抗がなくなった。パン屋さんとしてパンを売ることはすぐにやめてしまったけれど、それで得たものはすごく多かったような気がする。去年はじめて米づくりをして、何とか収穫できて、これから毎年なんとかたぶん続けられそうな気配がしている。裏作で小麦をできたらいいななんて最近は思ってる。米と小麦で、なんとかたぶんいま僕たちが借りている田んぼの広さで二人、何とか暮らしていけるようになるはずだ。そんなに遠くない将来には。畑もいままではただ何となく、種をまき、苗を植えて、勝手にそだったものを収穫していただけだけど、これからはもう少し手をかけてやろうと思っている。Mが図書館で借りてき 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510715 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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81 灰色の風景
¥9,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510712 ========== た、ケアを開くシリーズの「居るのはつらいよ」を読み始めた。まだ読み始めたばっかりだけど、面白そうな雰囲気がある。Mが読み終わってから僕も読んでみようかなと思う。あと額縁も作りたい。絵をオンラインショップに出しているけれど、思うのが、壁に飾った雰囲気の写真があった方がたぶん売れやすいんじゃないかなということ。大きさのイメージもつかみやすくなるし、額込みでこんな感じの室内になるんだなということをわかってもらうために自作の額縁を作ってみようかなと思う。もし可能なら。絵と額縁とをセットにして販売とかもできたらいいなと思う。手間を考えるとあんまりやりたくなくなってしまうだろうか。わからないけど、とりあえず、ひとつ額縁を作ってみようかなと思っている。ローマ人の物語は相変わらず読み進めていない。最近は小説を読んでいる方が面白く感じる。その中に描かれた現実とは違う世界のようなものに浸って楽しんでいる。朝ごはんは納得豚のハムを焼いたのと、目玉焼きを食べた。納得豚というのは確か、うろ覚えだけど、高山の方の特産豚で納豆を食べてい育った豚だった気がする。その豚のハムなのだけれど、それが結構おいしい。ゆずが練りこんであるのだけど、それもまた良くて、Mも僕も気に入っている。それと目玉焼き、そして白米。あと納豆も食べた。そんな朝食だった。味噌汁は作るのが面倒だったので作らなかったけど、なんか旅館の朝ごはんみたいでよかった。旅行に行きたいなと思う。コロナの状況がいまいちわかっていない。オリンピックの選手は来ることになったらしい。なんだかなぁという感じだけれど、7月からはお店もやらないつもりだし、ほとんど出歩かない僕らにしてみればあんまり関係ないことかもしれない。世の中、なんかおかしなことが平然とまかり通るようになってしまったようで、なんか、気が重くなってしまうのだけれど、僕は僕なりの暮らしを淡々と続けていきたい。ものを作り続けて、文章を書き、絵を描いて一日を終える、というように暮らしていきたい。ここ数日、Mと政治の話をする時間が増えた。僕も政治に無関心というわけではないのだけれど、どうしていいかわからない。このままの世の中でいいのかというと、全然そういう風には思わないのだけれど、自分がその世の中のなかで何ができるのかとか、そもそもどういう方向に進んでいくのが正しいと思うのか、いまいちはっきりしない。僕にとって政治とはなんなんだろうか。政治について語るということが結構難しい時代なんじゃないかなという気がする。Twitter なんかのやり取りをみているとそこにはまっとうな議論なんてほとんどなくて、どこの誰だかわからない人が極論というか、相手の上げ足どりをしあって、罵倒しあってて、本当に無意味というか、虚しい感じがする。政治について、世の中の在り方について、本当に必要なのは互いに尊重しあいながら 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510717 ======= 画材:キャンバス、油彩 サイズ:273×220mm ※額縁は付属しません。
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82 雨
¥9,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510715 ========== 考え方をすり合わせていく地道な作業をしなきゃいけないのだろうけれど、そういうことは結構難しいことのように感じる。というかたぶん無理。ただ消耗して、疲れていやな気分になるだけだと思う。僕は政治がどうなろうと、世の中がどんな風になろうと、自分の好きなように、自由に暮らしていけるようなしたたかさを身につけたい。そんな風に考えてしまうのだけれど、それは、自分勝手なんだろうか。何者にも奪われることのない何か、のようなものを自分の中に蓄えていきたい。それは例えば思考のようなもの。あるいは感性のようなもの。そろそろパンの二次発酵も終わっているはずだ。お隣のおじいさんに頼まれて庭木の剪定的なことをやった。庭師さんの手伝いに少し行ったことがあるとはいえ、こんな風な剪定なんてやったことないので、見よう見まね、というか、ょっと切ってみてどんな風にしたらいいのかを探りながらМと二人で切り進めた。わかったことは、木と木の間には隙間があった方がいいということ。そして足元はすっきりさせた方が何かいい感じになるということ。松の下の方にあった太めの枝ものこぎりで切り落としてみた。素人がそんなことしていいのか、とも思うけれど自分たちの感覚を頼りに切り進めていくと、おじいさんも「見違えたねぇ」と言って褒めてくれたのでたぶんそういうことで良かったんだろうと思う。途中、首すぎにパラっと水が滴ってきたと思ったら、少し雨が降ってきた。それほど強くなかったので、切り進めていると、そのうちにほとんど降らないままやんだ。チョキチョキ鋏で切っていく感じと、ちょっとやればあっという間にきれいに整った感じになるのが楽しい。Mも結構楽しかったらしくて良かった。お小遣いをもらい、少し話をする。もっとお話をしたいけれど、おじいさんは耳が少し遠いのでなかなかコミュニケーションが取れず、なんかもったいないなと思う。といって、近づいて話すのもこのご時世にはやっぱり止めておいた方がいいだろう。田んぼとか畑のことをもっと聞いておきたいし、この辺の昔の様子なんかにも興味がある。おじいさんにナスときゅうり、甘納豆、首まですっぽり布で覆うタイプの日よけの帽子(未使用)をもらって家に帰る。Mとなんかゲームっぽい感じだよね、と話す。人に会い、何かを頼まれ何かを得る。剪定なんてやったことなかったけど、家周りの全然お手入れされていない木々ならあれくらいで十分だろうと思う。こうやってスキルが身についていくなら、それはもはやゲーム以外の何物でもないように思えてくる。風呂に入り、商品の発送とちょっとしたものを買いにスーパーに行く。玄関を出ると、なんだか、夕日でオレンジ色で明るいのだけれど曇っている、みたいな不思議な感じだった。とても強い光源の光が、薄い半透明の膜を何枚も透過してきたような感じの光だった。「雨降るよ」とMがつぶやくと、すぐにざっ 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510720 ======= 画材:キャンバス、油彩 サイズ:273×220mm ※額縁は付属しません。
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83 青の室内
¥12,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510717 ========== と降ってきた。なんかお百姓さんか、漁師さんみたいだった。晩ごはんはおじいさんにもらったナスでマーボーナスを作った。昼食には自家製のパンを焼いて食べた。自家製のビワジャム、梅ジャムをつけて食べる。最高に贅沢。このペースで食べていくとすぐになくなってしまいそう。作るのはあんなに大変なのに。いっぱい作っておいた方がよさそう。バターをつけたり、あんこをつけたり、いろんなものをつけてパクパク食べてしまった。結構たくさん焼いたつもりでも、すぐになくなる。僕が1回に捏ねる量だと、なんだかんだ二人で1日でほとんど食べきってしまう。シロツメグサのパンもいい感じに膨らんでいたので、切り分けて成型した。ダイニングの机の上を整理し各種洗い物を済ませた。Twitter でいろんな人が話しかけてくれる1日だった。だんだん明るくなってきた。そろそろパンを焼こうか、昨日の夜から二次発酵させているパン生地もいい感じなはずだ。シロツメクサから酵母が起こせるなんて言うのは驚きだ。話で聞いて、玄関先のシロツメクサをひとつかみ、少し洗ってから瓶に放り投げ、水に浸して、砂糖をすこし入れておくとそのうちブクブクと泡が出てくる。はやくどんな味なのか試してみたい。猫が鳴くので、Mが起きてしまった。ご飯をあげてくれたのだけれど、あんまし食べないまま鳴きまわっている。何が不満なのかいまいちわからない。昨日は絵を描かなかった。木彫もしていない。パンに時間を使いすぎた感がある。2回分捏ねて焼いたから当然かもしれない。今日は歯医者に行かないといけない。田んぼの転がしもしたい。小学校から帰ってきたら、午前中に転がしをして、午後には少し木彫を進めようかなと思う。キャンバスづくりと額縁づくりには手を付けられないだろうという気がする。財布がもうボロボロなので、革で手作りしたいけれど、それもしばらくは始められないだろうと思う。12時から16時までで絵と木彫をやろう。3時半だ。日課、というものを設定してから、僕は早起きができるようになった気がする。たぶんこれまでもそれくらいの時間に一度起きていたということなんだろうと思う。その時間に一度目が覚めていても、何をするかと決めてないからもう一回眠りに入ってしまって、必然的に二度寝状態になってしまって、あさ起きるのがつらくなってしまっていたのだろう。二度寝は本当に僕の体質に合わないんだということが分かった。一番最初に目覚めたときにパッと起きてしまって、そのまま文章を書く。それが一番いい感じ。携帯のロック画面には僕の毎日のスケジュールが書かれている。それを見れば、いま、自分が何をするべきなのかがわかる。そういう方式を導入してから、結構毎日楽しく、充実して暮らせているような気がする。山下達郎のサンデーソングブックというラジオをこのごろ結構聞いている。それが意外とおもしろくて、意外、というのも失 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510721 ======= 画材:キャンバス、油彩 サイズ:410×318mm ※額縁は付属しません。
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84 じゃがいも畑
¥12,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510720 ========== 礼な話なんだけど、山下達郎はMが流しているのを僕が隣で聞いているだけで、歌のイメージはあったけど、人物のイメージが全くなかった。なんか、軽妙、という感じ。さらっと流すみたいなのが面白い。お便りは読むけど、曲のリクエストには答えません、みたいなのとか、質問にも答えない、みたいなのが軽い。それがいいなと思う。流れてくる曲も僕は聞いていて心地よいように感じる。あんましうるさくないのがいいと思う。たぶん今日で、このどこどこ、も10万字に達するのだろうと思う。文字数をカウントするのに、あるWebサイトを使っていたのだけれど、それで数えられる上限文字数がたぶん10万文字なので、もうそれを使って総文字数を数えられなくなってしまった。note とかの最大文字数って何文字なんだろうか、「どこどこ」として、ひとつながりの文章としてnote で公開しているのだけれど、それもアプリだと落ちてしまって記事が開けない状態になってしまった。ブラウザ版で開くか、猫の皿の方のブログ記事として公開している方はまだ開けるみたいだけど、それもいつ開けなくなるかわからないなと思う。結構長く書いてきたように感じるけれど、本にしてみたら、10万字で167 ページくらいなんだそうだ。本として考えたら薄い本だ。このままとりあえず一年間は続けてみたいなと思う。何文字になるのか、そのころにはどうやって数えたらいいんだろうか。まぁ、いいや、毎日10枚という小分けで考えていこう。もうだいぶ明るい。BBKING のなんていう曲かはわからないけれどそれを聴きながら書いている。BBKING という名前は聞いたことがあったけど、曲は全然聞いたことがなかった。何か文章を書く時には無音よりもわからない言語で歌われた音楽を聴きながらの方がリズムに乗ってどんどん書いていけるような気がする。たぶん聞く音楽によっても書かれる文章は変わってくるだろう。どこどこの全文をグーグルドキュメントに張り付けてみた。めった動作が遅いけど、というか落ちたけど、それで文字数を数えると14万字とかになっていた。もうなにが正しい文字数なのかわからないので、淡々と毎日10枚というペースだけを考えて書いていこうと思う。さて、手が止まってしまった。小腹がすいたので、昨日焼いたパンを食べる。全部食べたら怒られるだろうか、とりあえずひとつだけ残しておく。そろそろオーブンの予熱を始めておこうか、そう思ってオーブンの中で2次発酵させておいたパン種を見てみると、めっちゃ膨らんでて隣同士つながっていて、丸パンのつもりだったけど、ちぎりパンになりそうだ。本当は2回に分けて焼いてちょうどいい量なので、1枚の鉄板に乗っけて焼くのは無理なんだけれど、それをわかっていながら2回に分けて焼くのが面倒だと横着するとこうなる。まぁ、自分たちで食べるものだから、いいかなと笑。シロツメクサなんて、ただ、の雑草、 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510723 ======= 画材:キャンバス、油彩 サイズ:410×318mm ※額縁は付属しません。
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85 欲望の亡霊
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510721 ========== あるいは王冠みたいなのをつくるものとしか思っていなかったけど、こんなにパンを膨らませる力があるなんて驚きだ。もうじき予熱も終わる。230度で20分にセットしてみた。もうじき、やっと、シロツメクサのパンを試せる。楽しみだ。どんな味、どんな香りがするんだろうか。今年の夏はなんか寒い気がする。朝晩は夏だというのに寒くて毛布にくるまってしまう。ここ最近の夏が暑すぎたんだろうか、それとも今年は特別に寒いんだろうか。植えたピーマンはほとんど大きくなっていない。それはこの寒さが原因だろうか。ナスもあまり元気がない。去年は見なかった虫が野菜についている。ピーマンは小さいけれど実のようなものが付き始めている。はやく夏野菜を食べたい。いつものようにコロナ対策の消毒の仕事をしていると、携帯が振動し通知がきた。「商品が購入されました」やった、やった、とウキウキしながら仕事を終え、家に帰って確認すると、売れていたのは絵だった。しかも9枚。1枚1000円で売ってるから9枚で9000円だ。時給800円台の仕事をしている僕からすると、それはめっちゃありがたいことで、実に10時間以上分のお金をもらえたことになる。いまのところ生活にお金が足りないというわけではないので、このお金はほとんど全部、また絵を描くための画材を買うのに使われると思う。絵が売れて嬉しいというのは、単にお金が手に入って嬉しいということ以上の意味が僕にはあるように思える。少なくとも木工品が売れるということとは僕にとって意味合いが少し違うように感じる。「機能性」のようなものの有無と関係しているのだろうか。機能のあるものも、もちろん売れれば嬉しいのだけれど、買われたのはあくまで「機能」であるという感覚が僕の中にはある。絵の場合は売れたのはその絵の機能とか、効能のようなものではなくて、そのもの自体の価値だという風に僕自身が思えるから、絵が売れるのがこんなに嬉しいのではないかと思う。買ってくれた人はどんな気持ちで買ってくれるのだろう。単純に絵を気に入ってくれたのか、それとも、僕を応援しようと思ってくれたのか、どちらにせよ、僕が描いた何かに対してお金を払ってくれた、というそのことだけで、僕は絵を描き続けていけるような気がする。僕はこのごろ、自分が描いたもの、作ったものに対して自分自身では評価しないように極力努めているので、描いたものはすべてオンラインショップに公開しているのだけれど、意外なものが売れたりするので面白い。意外なものというのは売れると思わなかった、というような絵のことだ。それは良いとか悪いとかいうことではなしに、「なんか売れなそう」というような絵、うまく言えないけどそんな絵がある。それはその絵を評価してしまっているのだろうか。うまく言えないけれど、たぶんそういう見方を僕は自分の絵に対してし続けるのではないかなという気がして 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510724 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:148×210mm ※額縁は付属しません。
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86 消防塔
¥5,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510723 ========== いる。それは評価というよりも鑑賞のような方法なのかもしれない。評価せずにただよく見るということ。だいたい売れそうな絵が売れていくわけだけれども、それに紛れ込むようにして売れなそうな絵もたまに売れていく、何かの間違いのように。売れなそうな絵が売れていくということが僕は何よりもうれしくて、それは、あぁ、好き勝手に描いていいんだ、という風に改めて思い直すことができるからだ。日々、でたらめに、適当に、まじめに描き続けてさえいれば、時々こんな風に買ってくれる人がいるらしい。よいものというのは狙って生まれるものではなくて、無数に作ったものの中にちらほらと偶発的に生まれるものだという意識がある。そして、そのよいものというのは人それぞれで、ある人にとってはこれがよくて別のある人にとってはまた別のものがよかったりする訳だから、僕に大切なのは何か定まった何かに向かって製作するというよりもとにかく数を作るということなんだと思う。絵の値段が安すぎるといわれた。けれど僕はそうは思わない。確かに相場のようなものと比べたらだいぶ安いのかもしれないけれど、僕の感覚ではそんなに安いとも思わない。もし仮に、絵がどんどん売れるようになったとしても、今のような絵は、一枚数千円で売っていくと思う。とにかく僕は枚数を描けるので、その値段でどうにかなってしまう。もちろんそのすべてが売れるわけではないけれど、自分で選別したり、自分が納得できるものにするのにかかる負担がないので、この方が製作を続けていくことができる。1枚の絵にじっくり向き合って、それなりの値段で売るというスタイルの人は結構すごいことをやっているなと尊敬する。まぁ、それも人それぞれだ。絵を梱包し、お手紙を書いていると、その途中に絵がまた1枚売れた。同じようにうれしい。夜、また2人買ってくれた。今度は大学の時の同級生だ。結局、1日で12枚売れたらしい。本当にありがたい。発送を終え、昼寝をして、起きて、歯医者に行った。待合室には患者が4人。くだらないテレビをやっている。本を持ってきてよかった。この間きた時にはそのテレビを見るしかなくてしんどかった。名前が呼ばれる。僕の番が来た。まずレントゲンを撮りたいというので小部屋に案内される。窓のない3畳ほどの部屋。普通の蛍光灯の照明なはずなのだけれど、その部屋の明かりはものすごく黄緑色がかっているような感じがした。白いアームの先に黒いレンズのついた機械の横の黒い小さな革張り椅子に座らされる。原始のロボットの胴体パーツのようなエプロンを肩から掛けられる。口を開き、硬い何かを咥えさせられる。係りの人は出ていき、その部屋で僕は一人だった。すごく一人になった気がした。外の世界と隔てられたところへ来たみたいだった。音はなく、他人の気配もなかったが、黒いレンズが僕の顎をじっと見つめている。時間が止まったよ 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510726 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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87 屋上
¥5,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510724 ========== うだ。墓の中はこんな感じなのかもしれない。人間は死んだらどうなるのだろう。なんかこの感じエレベーターと似てる感じがするけど、まったく別物な気もする。エレベーターは動いているけど、この箱は動かない。だんだん息苦しい感じがしてきた。窓がないけどこの部屋って換気されているのかな、なんてことをぼんやりと考えていた。口の中に硬い何かを咥えさせられ、動くことも禁じられた僕は、自分がガス室に閉じ込められているような感覚になった。動悸がする。なんとなく息苦しい感じがする。動きたいけど、動いてはいけないといわれた。僕はもしかしたら、閉所恐怖症なのかもしれない。外光の全くないその部屋の壁はいまや一面真緑のように見えた。ここは手術室かもしれない。ふとそんな感じもした。たぶん実際の時間としては、あっという間、たぶん1分とかそれくらいなはずなのだけれど、僕の実感としてはここまで書いたくらいの長い時間だった気がする。宇宙飛行士の訓練室もこんな感じなんだろうか。ロシアの宇宙飛行士のテストで真っ暗な音のない部屋に閉じ込められて、2時間経ったら出てくるように、とかそんなのがあったらしいけど、こんなところに2時間は普通の神経じゃとても無理だという気がする。ガチャと扉がひらく。小部屋に時間が戻ってきた。席に案内される。荷物を足元に置き、椅子に身を預ける。しばらくして、目の前のモニターに人間の顎のあたりの透視図が現れた。顎の肉の中に何本も歯が埋まっている。イギリスの古代の遺跡みたいだと思う。表に出てきているのは歯のうちの半分くらいのようだった。血管も見える。これをみても僕には僕の歯がどういう状態なのか全くわからない。椅子が倒される。白い天井を見上げる。口をあけると奥歯の方でチクッとした。どうやら、これはやるらしい。麻酔をかけられた僕の右側はどんどんしびれたような感覚になった。口をゆすいで、と言われ、そうするけれど、水が横の方からだらっと唾液とともに垂れてしまう。再び天井を眺める。医者がちいさく一言、削るね、とつぶやくとドリルをゴリゴリ当て始める。時折、神経に直接触れられるような痛みが走る。あの痛みが僕はどうも苦手だ。麻酔が効いていないのだろうか、なんか結構いたい。僕は太ももをつねって意識をそちらの痛みに向かわせようとするのだけれど、どうもうまくいかない。歯の痛みにはかなわなかった。削り終わると、なにかしらの液体のようなものをそこに塗り、その穴を埋め始めた。ゴムのような匂いがした。紫色の光を当てられる。時折、耳元でピッ……ピッ……ピッ……ピッ……というような電子音がした。身動きせず、その無機質で真っ白な天井を見上げていると、なんだか自分がなにかしらの精密機械になったような感じがした。たぶん、パソコンとかの中に入っている基板って、こんな気持ちなんだろうと思う。ゴリゴリ削られ、削り屑が口のな 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510727 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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88 自画像
¥12,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510726 ========== かに飛び散る。水をかけられると同時に管で排出される。時々鋭い痛みがする。僕は太ももをぎゅっとつねる。歯医者は苦手だ。気づくと、医者は溶接用のマスクをしていた。口の中の一部を合金に取り換えるとのこと、切り開かれ、ドリルで穴をあける。切粉が口の中ではねていた。続いて黄色と緑のコードが口の中に放り込まれる。先端がとがっていて、チクチクといたい。ビニールの感触がとてつもない異物感を感じさせる。吐き出してしまいたいけれど、そうする自由は僕にはなかった。医者はハンダごてを手にしている。棒の先端から白い煙が出ている。顔に近づいてくる。近づいてくるにつれ、肌に触れる空気の温度が上がっていくのを確かに感じたが、棒が口の中に入ったころには不思議と熱さを感じなかった。麻酔が効いているのだろうか、それとも、もう僕は機械の体になってしまったのだろうか。噂で聞いたことがある。機械化された人間は痛みを感じなくなるらしい。痛みを感じないから、自然と身体の扱いが雑になり、機械の体がいかに生身の体よりも丈夫にできているとは言え、細かな故障を頻発するというような事例がこのごろ増えているとのことだ。口の中で特殊ねじを締める音がカチカチ、カチカチとする。そしてまたピッ……ピッ……ピッ……ピッ……という電子音。どうやら通電を確認しているらしかった。医者が席をはなれた隙を見計らって、僕は舌を使って問題の個所を探ってみる。金属の塊があった。ひやりと冷たく、表面は不気味なくらいツルツルしていた。そこからコードが2本出ている。先ほどの黄色と緑のコードだろう。歯から飛び出て歯茎の中に埋まっていた。医者が戻ってくる。こんどはプラスティックの透明カバーだ。なるほど、まだ、仕上げのカバーをしていなかったのだなと思った。また、紫色の光をあてられた。口から鼻に向けて接着剤のような匂いが通り過ぎていく。はい、口をゆすいで、と言われる。顔の右半分が重たいような気がした。はい、これでしばらく様子を見ましょう、と言われた。席を立ち、待合室の席に座る。そこにはまた数人の患者がいる。みんな適当に互いに距離をあけ、椅子に座り、携帯をいじる者もいれば、テレビを見ている者もいる。みんなマスクをしている。その下にあるのは生身の皮膚だろうか、それとも新素材の超合金だろうか。皮膚は皮膚だとしても、その中身はなんだろうか、もうだれも、自分自身、自分の体のどの部分がもともとのもので、どこが人工的な素材のものなのかわかっていないんじゃないかなという気さえする。名前が呼ばれ、会計をすませる。1440 円だった。あれだけの作業量にしては、安すぎるように感じる。きっと足りない分は政府が負担しているのだろう。かなり巨額の予算が割り与えられているようだ。人間の体がそっくり機械に入れ替わるにはどのくらいの時間と手間がかかるのだろう。車に乗り込み、家に 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510729 ======= 画材:キャンバス、油彩 サイズ:410×318mm ※額縁は付属しません。
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89 ソーラーパネルのある風景
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510727 ========== 着くころにはもう完全に僕は何をしに出掛けていたのかを忘れていた。晩ごはんのこんにゃくのピリ辛炒めもおいしく食べられた。この間はボブ・ディランの"The Freewheelin' Bob Dylan" というアルバムを無限にループしていたので、今日もその流れで行こうかなと思う。ボブ・ディランのアルバムを年代順に聞いていく感じにしようかな。すると聴くべきなのは1964 年のアルバム、"TheTimes They Are a-Changin" というアルバムだ。流し始めた。町の財産区の草刈りに行ってきた。財産区、というのが何なのかはいまいちよく僕はわかっていないのだけれど、要するにみんなで管理して財産として守っていく山のことなんだろう。朝、お隣さんと乗り合わせて集合場所へ向かう。小雨が降っている。軽トラの荷台に草刈り機と熊手をのせ、エンジン部分にはビニールをかぶせておいた。山道を登っていく。集合場所は山のてっぺんのあたりのキャンプ場だ。この町に引っ越してくる前に一度、僕はこのキャンプ場に来たことがある。Mと二人、カレーを作って食べたことと、真っ暗な山道を迷子になりながら運転したことは覚えているけれど、他に何かしただろうか、あんまし覚えていない。コロナの注射に行かなきゃならない人が何人もいたので、いつもよりも短い時間で終わった。いつもなら8時スタートで11時までらしいのだけれど、今日は10時に終わった。以前近所の人に頼まれて、代わりにネットで買っていたパソコンを届けセットアップをしに行った。最近なんだかんだとあって、自分の日課を維持できていないので、それは本当によくないなと反省。僕は僕のやるべきことを続けていこう。僕のやるべきことってなんだ?とも思うけれど。熱海で土砂崩れがあったらしい。埋め立ての盛り土が崩れてきているという話だけど、根本の原因は森の木を切り開いていることなんじゃないかという気がする。1年ほど森の中の小屋で暮らしていたけれど、そこでは雨が降り止んでもそのあと、ずっと長い時間木の葉に乗った雨がぽたぽたと垂れてきていた。雨がなかなか降り止まないなぁと思いつつ、道の方へ出てみたらもうすっかり晴れていて道路も乾いていた、なんてこともある。そういう体験からすると、木があればそれだけ、雨を緩やかに地面に届けるバッファー的な役割をしていたじゃないかなという気がする。根が地中にあればそれも地面を支えるだろうし、なんとなく体感的には木々や植物が地面を覆っているのは防災的に役立つという感がある。ツイッターを見ていると、それにもいろんな意見があるらしく、バチバチとなにやらやっている。無意味だと思いながらもなんとなく眺めて時間を過ごしてしまうので恐ろしいものだ。隣町でもメガソーラーが建設されている。まだ何か所か建設の予定があるそうだ。怖くて見にいけていない。一度、見学会のようなものがあったので、それに行こうと思っていたのだけ 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510730 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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90 つぐはるB
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510729 ========== れど、その日ちょうど、疲れがたまっていて、布団から起き上がれなかったので機会をのがした。無理して行けなくもなかったのだけれど、自分が元気な時でないとそういうものを見るとたぶん自分がダウンしてしまいそうな気がしていくのを止めた。そのまま見に行かないままになっているけれど、たぶんいつか行くんだろうなと思う。これはこの場所に住んでいて、目に入れないでは済まない問題なんだろうなという気がしている。僕らがこの町に住み始めて、一年半が経つけど、移住するのを決める要因の一つには、この地域の景観が気に入ったということも確実にある。それがなくなっていくというのは悲しいなという感じがする。土地はだれかのものであって、持ち主でもない人間がとやかく言えないのかもしれないけれど、できればずっと残ってほしいななんて思う。因果関係というのはどうやって証明すればいいんだろうかと思う。明るくなってきた。猫につつかれて起きる。2時半だ。おなかの上に乗っかってきたのでしばらく撫でる。ここ数日だいぶ雨が降り続いているからか、川の音がいつもより大きい。しばらくしてお腹の上に5キロはけっこう重たいなぁ苦しいなぁと思いはじめていると、スッっと立ち上がって、いつもの座面だけの椅子の上に戻って丸まり眠り始めた。寂しかったのだろうか。このごろ夜中に猫にちょっかいを出されるのだけれど、それは何なんだろうか。昨日なんかは僕の方が寝ぼけてしまっていて、ご飯の時間かと思って変な時間に餌をあげてしまった。まだ日付が変わったころだった。真っ暗な中でやろうとして、秤の文字が見えずらくて、ごにょごにょしてたらMが明かりで照らしてくれた。皿に多く出しすぎたので手でつかんで袋に戻していたら、なんか妖怪みたい、と言われた。暗闇の中、かがんで餌の粒を袋に戻す。猫の餌やり妖怪だ。なんだか最近すごく眠たくて、朝寝坊する上に、昼寝を2、3時間して、夜も22時くらいには寝てしまう。まぁ、今までもそういうことは度々あるので、あぁ、またね、という感じではあるのだけれど、僕の体はすごく元気であんまし眠らなくていい時期とすごく眠くて1日15時間くらい寝たい時期とがかわりばんこに訪れるようだ。いまは眠い時期なようなのであんまし無理せずに諦めて眠ってしまうようにしている。紙が届いた。先日絵が売れた分のお金で、サンフラワー紙のM 画というのを100枚。八ツ切というサイズのようだけれど、出来ればクリックポストで送りたいので、それを半分に切って使っていくことにした。たまにはそのままの大きさの絵を描いてみようかなとは思うけど、基本的に半分の大きさの絵にしよう。これで200枚分の絵が描ける。墨汁も買った。このごろはアクリルを封印していて、透明水彩とペンを合わせて使っている。絵のダークネス度が増しているような気がする。いいのか悪いのかは自分ではよ 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510731 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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91 はざま
¥5,000
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最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510730 ========== くわからない。自分がどんな絵を描きたいのか、いまいち自分でもよくわかっていない。しばらくは成り行きに任せて、描き続けてみようかなと思う。そのうちに何か定まってくるものがあるかもしれない。小学校へ行き、昼寝をして、頼まれているペンレスト用の材料を切り出し、絵を描く。文章は最近はサボり気味だ。コンビニでプラムを買った。2つか3つ、そのまま丸かじりして、残りを使ってプラムのマフィンを焼いた。甘い生地に酸っぱいプラムがめちゃくちゃおいしい。このあいだ作ったビワのマフィンよりも僕はこっちの方が好きかもしれない。プラムは酸味が強いので、生地を甘めにしたのがよかったと思う。ただ、プラム自体の中に含まれる水分が多いからか、豆乳の量をだいぶ少な目にしたのだけれど、生地がシャバシャバであんまし膨らまなかったのが気になる。次回はどうにかしたい。どうすればいいんだろう。生地に入れるプラムは減らして、残りをプラムソースみたいにして焼いたあとにかけて食べる感じにするのがいいかもしれない。来年もまたぜひやりたい。例によって、プラムの種を取ってきれいに洗っておいたので、畑に植えてみたい。何年くらいで実がなるのだろう。この1週間はあんまし書くことがない。たぶんいろんなことをやる代わりに昼寝の時間が多かったんだと思う。ずっと雨が降っている。基本的にしとしとと降ったりやんだりというような感じだけれど、今日は結構強い雨だった。猫のトイレ砂として木工旋盤の削り屑を使い始めて、何か月経っただろう。猫も問題なく使ってくれているのだけれど、最近木工旋盤にあまり触れていないので、おがくずがあまり出ないのが問題だ。わざわざ猫の砂を交換するために、旋盤をし始めるという謎な状態になってしまっている。この間ももう猫のトイレ砂を交換しないと、となって、慌ててヒノキを削ってみた。大皿が欲しいなと思っていたので、旋盤で回転できるMAXの大きさの円を描いて削ってみた。失敗して底に穴が開いてしまったので、ランプシェードにした。直射光が目に入るのが嫌なので、もう少し改良が必要だ。もしかしたら。皿を照明からつるして、天井に光を反射させる方がいいかもしれない。小学校の廊下の壁に「さとふる」と書いてある書道の作品が並んでいて、なんだろうと思ったら「ふるさと」と書いてあるのを僕が「さとふる」と順番を入れ替えて読んでいただけだった。絵を描くために墨汁を買ってきたので、絵筆で少しだけ書道をやってみた。結構楽しい。Mと二人で何枚もかいた。ひらがなが難しいなと思う。ポテトサラダを作った。畑でとれたジャガイモをいっぱい蒸かして、顆粒だしと醤油と、マヨネーズ、マスタードで味をつけた。隠し味にゆべしを入れてみた。ゆべしというのは漢字で書くと柚餅子らしい。柚子の皮の中に味噌やら、くるみやらを入れた珍味なのだけれど、甘いようなしょっぱいような不思 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510733 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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92 いつものガソリンスタンド
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最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510731 ========== 議な味だ。ゆずの香りもする。それを細かく刻んでポテトサラダに入れてみたけど、それがなかなかいい感じの味わいを生んでいた。ゆべしそのままで食べるとしょっぱいような感じがするけれど、ポテトサラダの中に入れると甘味として作用している気がする。マヨネーズはたっぷり入れた。すぐになくなってしまったので、また作りたい。まだまだジャガイモはたくさんある。Mがカレーを作ってくれた。なぜか僕がつくるよりも白っぽくて、クリーミーな感じになった。ジャガイモが溶けたのだろうか、あとは僕がやたらめったらケチャップを入れるから、僕のカレーが異常に赤いというだけの話かもしれない。また食べすぎた。ここ最近、食べすぎて苦しい、という食事が続いている。30歳を目前にして、たぶんこんなに食べていたら太るという気しかしない。マフィンもこんな頻度で、こんな量を食べていたら大変なことになるかもしれないので、頻度を減らした方がいいかもしれない。最近朝ごはんは結構適当で、いろんなものをただ切って焼いただけのものを食べている。あとは納豆と卵とか。なんか最近そういうのが一番おいしいなと感じている。特にナス。ナスを多めの油で焼いたのが去年からの僕の好物。あとはエリンギもおいしい。味覚がおじいさんになってきたんだろうか、味付けも、単に塩とかの方がいい。あと今日の昼ごはんにはそうめんを茹でて食べた。そうめんの茹で具合がいまいちわからない。長すぎるか短すぎるのかどちらかなのだろうけれど、どっちなのかいまいちわからなかった。硬くて芯が残っているような感じもするし、同時に柔らかすぎてぬちゃぬちゃしているような感じもする。まだ麺は残っているので、ちょっと研究したい。安い麺を買ったので、麺自体のクオリティの問題もあるかもしれない。子供のころはそうめんとか、あんましおいしいと感じなかったけど、今日たべたら普通においしかった。やっぱり30歳を目前にして味覚がおじいさんになっているのかもしれない。でもきゅうりは相変わらず食べられない。だから近所の人々にもらったきゅうりはみんなMが食べることになるのだけれど、このごろ消費量が落ちているようで、しばらく冷蔵庫からきゅうりが減っていないのが気になる。納豆は先週15パック分も買ってきたのに順調に減っている。冷凍庫には肉も魚もない。貰い物のゆずの皮が冷凍庫にたくさんある。卵もまだある。マフィン用のチョコチップ、パン用のバターもまだある。キャベツをあまり使わなかったので、キャベツがまだだいぶ余っている。今日の夜に巣ごもり丼的なものを作ろうとしたのだけれど、結局なんかちょっと違う感じの丼ぶりになってしまった。ゆず皮はクッキーでも作って消費しようと思う。この間買ったアーモンドプードルを混ぜたクッキーをまだ試していない。店の片付けをそろそろしに行かないといけない。はちみつはまだ店にあ 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510734 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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93 青の風景
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最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510733 ========== るはずなので、もってかえってきてクッキーを作ろう。朝からゆずの商品の配達の仕事だ。朝寝坊したけれど、何とか普通に朝ごはんを食べて、仕事はじめの時間に間に合った。商品を車に積み込み、出発する。ぐるりと市内を一周するような感じだ。曇天。ときどき晴れ間が見られた。ソーラー充電や洗濯物を外に出して来たらよかったね、なんて話していたけれど、このあとずいぶん強く雨が降り出したので、結局は出さないで来てよかったね、という話になった。途中、しばらくMに運転を代わってもらった。その間コーヒーを飲んでリラックスできたのでずいぶんと体力的に余裕ができた感じがする。新しい商品を置いてもらうための手続きが諸々あって、普段よりも時間がかかった。昼に駅前の店で「うなたこ」という弁当を買った。確か650円くらいだった。箸を2膳もらい、Mと半分こして食べた。今年初のうなぎだ。といってもほんの一口だけど。僕はウナギが好きなので食べたいけれど、絶滅危惧だという話もあるし、お金もあんまし無いので我慢かなーなんて話をした。タコもだいぶ久しぶりに食べた気がしたけど、いつもたこ焼きでたべてるかと思いだした。途中まで書いて、眠たくなったのでまた布団に戻る。日の光で目覚めた。こんな太陽の光はずいぶんと久しぶりのような気がする。食器類の洗い物を放置してしまっていたので、洗う。そして米を炊く。Mがおかずを作ってくれた。納豆も食べた。食後洗い物を済ませる。着替えて草刈り機を抱えて家の前から田んぼの周りまでだいたい1時間くらいかけてざっと草刈りをした。ずっと天気が悪かったのでずいぶん伸びていた。そのあと田んぼの稲の周りに雑草もずいぶんと生えていたので、それを抜く作業をした。水はそんなに冷たくなくて生ぬるい感じがした。なんていう名前かわからないけれど、背が低くてビヨッと四方に開いた感じで生える雑草がたくさん生えていた。ヒエは少ない。全体の1 /4 くらいは何とか抜いたのだけれど、疲れてきたのと、12時の鐘が鳴ったので、家に帰った。続きはまた明日以降にやろうと思う。風呂を沸かして入ったらさっぱりした。猫は僕が風呂に入っている間じゅうずっと傍らにちょこんと座っていた。ぼうっと入っていたら、そばに猫がいるのを忘れていた。そのくらい猫は静かに座って水を観察していた。うちの猫は水を見るのが好きだ。風呂に水が張ってあれば、永遠に眺め続ける。ゆらゆらと、動き、流れる水を眺めているのは楽しいらしい。それは確かにわかる。豊島の美術館で、そういう展示を見た。あれは僕もすごいと思う。普段暮らしの中にある「水」というものが完全に異化されていて、永遠に眺めていられるようだった。そしてそこはすごく静かだった。いま思い返してみるともしかしたら、あそこは僕の体験した空間の中で一番静かな場所だったかもしれない。いやどうだろう、龍安寺もなかな静かだったか。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510735 ======= 画材:紙、アクリル絵具 サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。