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75 木と倉庫

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るのか、まだかまだかと楽しみに待っていたのだけれど、「何を植えているの?」と近所の人たちに聞かれ、梅とゆずと答えると、それは無理だよと笑っていわれた。何年かかるか知らないの?と。そう言われて、僕は何となく恥ずかしいような気持ちになって、植えた種を畑にばらまいてしまった。芽が出てもたぶん草刈りの時に刈り取られてしまうだろう。今思えばそんな言葉気にしないで育て続ければいいじゃないかと思うのだけれど、なんとなくその時はもういいや、みたいな気持ちになってしまった。梅の実はまたいつかチャレンジしたい。きっと芽は出るし、そのうち木になる。無理というのは何が無理なんだろうと思う。ゆずも梅も種からは育たないのだろうか、もう、今のゆずや梅の実には種から増える能力がないのだろうか、じゃあ、種ってなんなんだ。打ち棄ててしばらくしてそんなことを思う。たぶんそんなことはないだろう。種は殖えるためにあるものだ。ちゃんと条件をそろえれば芽が出て育っていくはずだ。自然はしたたかなものだと思う。ちゃんと生き抜く術を自分自身の中に持っている。スーパーやコンビニで売られ、どんなに飼いならされたような風を装っていても、その中に「野生」のようなものを隠し持っている。葉物野菜は種ができる前に大半が収穫されてしまうけれどそれも戦略なのだろう。レタスも白菜もキャベツも絶えることなく、生き延びている。人間の方が利用されているのだ。そういうしたたかさ、野生のようなものはあらゆる自然物の中に身を隠しているのだ、ということが、今の場所に引越してきて、畑で野菜を育て、田んぼをやって、猫を飼い、木を削って、料理をしているとわかるようになってきた。野菜もそう。木もそう。稲もそう。その中に荒々しい野生のようなものを隠している。どんなに花がきれいでも、いや、花がきれいであればあるほど、その中にはより凶暴な野生が潜んでいるような気がする。猫もそう。かわいさの中にそういうものが確かにあるように感じるし、人間だってそうだと思う。ビワの木を切り倒したことがある。大きな木だった。会社の寮の裏手に大きなビワの木が生えていて、それが隣地にはみ出してるとかなんとかで、管理が面倒だから切ってしまおうということになり、みんなで切った。あれはたぶん僕がはじめて木を切り倒す現場に立ち会った体験だった。どん、と地響きがして、その木の一生が終わった。枝の先にはいくつものオレンジ色の実がついていた。お稲荷さんを作った。結構手間のかかる料理で砂糖をたくさん使う料理だなと思った。つくり方はこんな感じ。まず油揚げの油抜きをする。沸騰したお湯に入れ、強火で10 分くらい落し蓋をして煮る。煮汁を捨て、そこに、だしと砂糖を入れてまた8分煮る。この時も落し蓋をする。8分経ったら、しょうゆを入れ、火を弱火にして、また煮る。今度は弱火で30分だ。これもなんて気の長い楽しみな

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画材:紙、アクリルガッシュ
サイズ:210×148mm
※額縁は付属しません。

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