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118 空
¥2,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510812 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510816 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:210×148mm ※額縁は付属しません。
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119 立ち木
¥12,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510815 ========== 木の実を食べた一羽の鳥が ポタリと落としたその糞の 中から運良く芽生えた一粒の種子 それから幾年もの時間が経って 一本の大きな木となった ある部分は製材されて家を支える柱となって ある部分は薪となった またある部分は森に捨てられ虫たちの餌となり そして ある部分はたまたま私たちの手元に届いた 道具としての命を得て 暮らしの中で生きて行くことになる そんな物語が1本の木にはあるはずだ 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510818 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:410×318mm ※額縁は付属しません。
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120 kitchen
¥5,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510816 ========== いつか来る客人を待ち今日は終日なにもできない。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510820 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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121 光
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510818 ========== 買い物を済ませた帰り道 木曽川沿い 車を走らせていると左手に ちらちらと 木々の隙間からの光 水面の細かな光の粒 ときどき夢にも出てくる風景 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510822 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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122 木曽川の水面
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510820 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510824 ======= 画材:紙、アクリル絵具 サイズ:210×148mm ※額縁は付属しません。
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123 木曽川
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510822 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510826 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:148×210mm ※額縁は付属しません。
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124 車窓の景色
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510824 ========== 絵画の所在 絵を描くことは地図なしで見知らぬ街を歩いているようなものだ、そんな風にいつも思う。絵という空間に迷いこんだ僕は自分がその瞬間どこに位置しているのか、どこに向かっているのか、自分がどこから来たのか、そういうことは一切分からない。過去はずっと向こうにあるし、未来は信じられないほど遠くにある。というかそもそもあるかどうか疑わしい。 絵筆を握って画面と向き合う時間、それは永遠の現在のようなもので、その時間は特に心地よいものではないけれど、苦しい時間というわけでもない。それは言語化につながらないような小さな認識の粒が永遠に流れ続けるベルトコンベアをじっと眺めるような時間だ。描いているというよりも、勝手に変化していく煙を眺めているような感じだ。息を止めて潜ったプールの底から眺める光の筋や、棒高跳びのバーを飛び越える瞬間に目の端で捉える風景といったものが、その日の夜に布団の中で瞼の裏側に現れる時間に似ている。 僕はただ真っ暗闇の中で揺れ動くそれらの像を眺めているだけ。絵画というプロセスには幾つもの分岐点があるけれど、そのうちのどの1本を選んだとしてもいつだって最終的にはその作品の落ち着くべき場所につながっている。つまり大切なのはただ単に描くという時間を絵の前で過ごすかどうかということだけであって、どのようにとか、なんのために、とかそういうことにはほとんど意味がないのだということだ。とにかく描き始め、ぼうっと絵の変化を眺めていると、それにつられて絵筆が動く。それが更に画面を変化させまた筆の動きにつながる。そして気づいたら勝手に絵が出来上がっている。 そういうことがここ数か月でやっとわかったような気がする。それが分からずに僕は20 代の10年間はほとんど絵を描くことができなかった。キャンバスに向かい、絵を描こう、さて何を?という時間をもう過ごさなくてよいのだ。とにかく描き始め、変化を見守ってやればいい。これからは息するように作品を作り続けることができると思う。 もちろんそれが良い絵かどうかは分からないのだけれど。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510827 ======= 画材:紙、アクリル絵具 サイズ:210×148mm ※額縁は付属しません。
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125 春の風景
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510826 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510828 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:210×148mm ※額縁は付属しません。
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126 赤い屋根
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510827 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510830 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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127 校門
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510828 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510831 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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128 ハウスのある風景
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510830 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510833 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:148×210mm ※額縁は付属しません。
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129 いつか見た空
¥5,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510831 ========== 雨が降っている。雷もごろごろと音をたて始めた。警報が鳴る。大雨警報だ。僕は軽バンの運転席に座り携帯でどこかの誰かが書いた短いエッセイを読んでいる。今日は蒸し暑い日だ。日本の夏という感じがする。こんな日に僕はどうしてジャンパーなんて着ているんだろう。僕はこういうめっちゃ暑いところが好きだ。小さい頃からずっと。空気が重たい。息をどんなに深く吸ってもぜんぜん酸素が入ってこないような感じがする。リトルフォレストという映画の中で、湿度の高い夏、縁側から外へ泳ぎ出るというシーンがあったけれど、本当にそんな感じだ。 今日はこの配達の仕事が終わったら草刈りでもしようかなと思っていたけれど、今日もそれはできなそうだ。早く梅雨が明けてほしいけれど、同時に明けてほしくないような気もするから不思議だ。それはたぶん雨が降ってさえいれば、家から外へ出ていかず家の中に引っ込んでいるのが許されるような気でいられるからだろう。もっとも元々誰も家に引きこもるのを咎めたりなんかはしていないのだけれど。 また雷が鳴った。猫は元気にしているだろうか。木々の中で何羽かの鳥が囁きあっている。姿は見えない。車の中で僕は待っている。待つということも、僕はけっこう好きな時間の1つだ。駅で、空港で、車のなかで、僕はたぶん人よりもけっこう長く何かを待っていると思う。その時間に何か書き物をしたり、考えを巡らせたりというのはもしかしたら僕の中でかなり充実した時間かもしれない。 何かを作るということはある意味で何かを待つということに通ずるのかもしれないと思う。何かを産み出したいという気持ちがあったとしても、自分の意志で生み出すことはできないという意識が僕のなかにはあって、何かを作りたい、生み出したい、と思ったときに僕にできるのは、その何かを待つということだけだという気がしている。創作というのは個人の能力を超えた世界のもので、ペンと紙を前にして、その何かが降りてくるのを待つしかないのだと思いながら日々、ペンを握っている。相変わらず雨は降り続き、時折、空は白く光る。 僕はまだ何かを待っている。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510834 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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130 残雪
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510833 ========== 朝からS さんと約束があった。だから朝おきてすぐに昨日の夜の残りのチゲ鍋を胃袋に流し込んでビジターに向かった。ビジターというのは僕らが週に1、2日お手伝いしているゆず仕事の加工場であり事務所となっている建物だ。今日はビジターまで10~15分くらいかけて歩いてみることにした。というのもこのごろMは運動不足を気にしていて、歩きたい歩きたいと繰り返すからだ。 ちょっと寝坊したので、時間にそれほど余裕がなかったけれど慌ただしく身支度をして出発した。冬の空気が心地良い。携帯の電源をつけ、時間を確認すると8:19 と表示されている。約束の時間までもう11分しかない。S さんに限らず、このあたりのおじさんたちはみんな集合時間よりだいぶ早くに来るのできっともうついているはずだ。慌てて二人で駆け出す。すぐに息が切れる。これは確かに少しは運動をしたほうが良いな、と思った。すぐにもう無理、となって走るのはやめたけれど、速足でしばらく歩いていたら、なんとなく約束の時間には到着できそうになったので、残りはゆっくりと緩い坂道をのぼっていった。 坂をのぼって視界の開けたところから僕らの家を見下ろす。背の高い檜が2本、家の裏手に生えている。あれが僕らの家。いつも流しっぱなしの水道。ひとつだけ取り残した黄色いゆずの実。あれは冬至に入るゆず風呂用にとってあるのだろうか。ピンポン玉くらいのオレンジ色の実がいくつもついた小さな木。たぶんキンカン。藁が何束か倉庫の軒下に吊るされている。倉庫の中には何かの機械がシートにくるまれておいてある。稲刈りの後の田んぼ。耕してあったり、なかったり。枯れたトマト。ネギがたくさん植わった畑――そういう色々なものを通りすぎて、ビジターについた。用事は10 分で片付いて、大根と沢庵とお餅をも らって歩いて帰った。 家に帰ってすぐ、絵の仕事にとりかかった。手を洗ってうがいをして、コーヒーを淹れた。昨日買ったインスタントコーヒーだ。それを僕が勝手にアトリエと呼んでいる部屋に持っていき、仕事開始。時刻は9:00 ちょうど。頼まれていた絵を1 枚仕上げる。最近は絵を描いている様子を動画に撮ってみている。Mと相談して、まぁ、色々と試しているところだ。Instagram とYouTube にアップして、ひと仕事終わり。時刻は10 時。今日YouTube にアップした動画のうちの一つが7000回くらい再生されている。他のは100 ~ 150 回、せいぜい1000 回なのに、なぜその動画だけ?規則性がよくわからないけど、しばらく続けてみれば何かわかるようになるだろうか。 アトリエにしている部屋から出ると、Mに「換気扇の大きさを測ってほしい」と言われた。僕は道具箱からスケールを取り出して測る。開口の大きさ、305mm。 「 換気扇、汚れがひどいから買い替えようと思う。」 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510836 ======= 画材:紙、アクリル絵具 サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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131 換気扇
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510834 ========== とM。 「 いくら?」と僕は聞く。 「 4000 円」とMは言った。 頑張ってこすってみたけれど、油汚れがひどくてなかなか落ちないらしい。見ると、確かにひどい状態だ。いや、まぁ、「だいぶ」換気扇が汚れていることには前々から気づいてはいた。気づいてはいたのだけれど、なかなか手を付けられずにいた。 ファン部分には油と埃が混ぜ合わさってできた粘土のようになったものが堆積している。話し合った結果、僕が頑張ってきれいにすれば、お小遣い3000 円がもらえるということになった。付け置き洗いをするためにパーツをできるだけ分解してシンクに置いた。水をだばだばっと流して水を溜め、食器用洗剤を投入する。蛇口から落ちてくる水を受け、白い泡がぶくぶく湧いてくる。その時点で水はもうすでにだいぶ濁っていた。 絵を描くことをもう一度始めようと思って買ったのがターナーという絵具メーカーのアクリルガッシュ12 色のセットだった。中学生のころ学校の美術の授業で使ったのと同じものだ。それを使って最初に描いたのは台所の換気扇のある一角。ちょうど、太陽が昇り始めて、朝日が差し込み始めた時間帯を絵にしてみたのだった。それが確か2021年の6月くらい。それから、あっという間に1年半が経った。換気扇の絵に始まり、この1年半の間に描いたいくつかの絵のことを漠然と考えながら、しつこい油汚れと格闘すること2時間、換気扇は新品みたいにピカピカになった。ファンの回転も滑らかだ。 Mの審査にも無事に合格したので僕は3000 円をゲットした。そのお金で僕は前々から気になっていた、栗原あきという絵描きさんのZINEを注文することにした。ちょうど今日から千葉で個展が始まるらしかった。僕もそのうちどこかで個展をやりたいな、そんなことを考えながらZINEが届くのを待つことにする。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510839 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:258×182mm ※額縁は付属しません。
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132 影
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510836 ========== 僕が何に興味があって何を描いているのかというと、きっとそれは「記憶」ということになるのだろうと思います。というよりも、描くことによって記憶を作っているといった方が正確かもしれません。僕がふだんものを描く時にはモチーフとなる対象それ自体をというよりも、それを写した写真をもとにして描くことが多いのですが、それは対象の形態を把握することが目的ではありません。むしろそれは副次的なものです。僕が写真という媒体に期待しているのは遠い過去の記憶を喚起することです。僕の中では写真と記憶というのは切っても切れない関係にあり、同時に絵画と記憶というものの間にも同じような関係が成り立っています。僕にとって写真というのは記憶と絵画をつなぐ媒体です。描くという行為と思いだすという行為の間には何かしらの類似性があるように感じています。それは描かれる対象を目の前にして描くときでも変わりありません。「見ながら描く」ということはより細かく自分の実感に則していえば、「見て、覚えていることを描く」ということの繰り返しという気がします。キャンバスを目の前にして、見る・描くということを繰り返すことも僕にとっては結局のところは記憶を描いていることなのです。僕にとって写真を見ながら描くということと実物を見ながら描くこととの違いは描かれる記憶がより時間的に近くの鮮明な記憶なのか、消えつつある(あるいは消えてしまったと思っていた)遠い昔の記憶なのか、という違いなのだと思います。近くの記憶は常に更新され続けていて、その一部が崩壊しつつ同時に新たなものが生まれるという過程を経て、ある種の時間の感覚を生み出します。特に遠くの記憶と比べると細部の情報が圧倒的に充実しています。その場合、描かれるのは記憶というよりも時間であり、細部であるということになるのかもしれません。一方で写真が写しているのは過去の一瞬です。そしてその対象に関する記憶は時間とともに基本的にはすべて失われていきます。どんなに心動かされるような出来事や場面であっても、ずっと長い時間が経つとどんどん忘れて行ってしまいます。それはもちろん、僕の場合には、という話ですはありますが。そういう失われた記憶の海から全く偶然に一枚の写真をきっかけにして、一瞬のうちに遠い過去にある一時点を思い出すことがあります。そういう風にして思い出された記憶が僕のいう遠い記憶です。先に書いた、近い記憶と比べると対象の実在感や細部の情報は少なく臨場感も鮮明さもありませんが、その記憶は僕の感情や感覚と強く結びついているように感じます。それは非常にあいまいで漠然としていて、言語化するのが難しいのですが、いうなれば、ある種の雑感のようなものです。絵を描くときにはその雑感を捕まえようとしています。それに僕は強く惹かれます。それは僕の記憶に関する能力とも関係しているかもしれません。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510840 ======= 画材:紙、アクリル絵具 サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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133 記憶
¥20,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510839 ========== 僕はいろいろな出来事をすぐに忘れてしまいます。幼少時代の記憶はもちろん、大学生時代の記憶もひどくぼんやりとしたものです。本当にすぐに物 事を忘れていってしまいます。いま、僕が思い出せる記憶というのは、きっとほとんどすべて写真という媒体を通して再構築されたものといっても過言ではないと思います。不思議なのは再構築された記憶、捏造されているかもしれない記憶といってしまってもよいのかもしれませんが、そういうものは自分の中にしっかりと根付いていると自分自身が感じているということです。他の人が記憶というものについてどういう風に感じているのかはわかりませんが、少なくとも僕にとって実際に起こったことをありのままに記憶するということは、不可能に近いことのように感じます。僕にとって記憶は失われていくものです。一生忘れられない風景や忘れられない出来事のようなものは僕には一つもなくて、すべての記憶は失われる可能性があります。本当に何もかもです。そして残っているのは僕は自分で頭の中で作り上げた記憶のようなものだと僕は感じています。それは僕が作りあげた物語といってもいいかもしれません。絵を描くということは、僕が自分の頭の中にそういう記憶を作っていく行為なのかもしれないとさえ感じます。それはもしかしたら実際に起こった出来事や実際にあった風景とはずいぶん異なっているかもしれないのですが、そういう風に自分の中で組みなおしたものに支えられるようにして僕は生きているのかもしれません。僕はそれをすごく怖いことだと思いながら絵を描いています。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510841 ======= 画材:キャンバス、油彩 サイズ:530×653mm ※額縁は付属しません。
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134 姫栗小
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510840 ========== 笠置橋を渡ってJA の向かい坂道をくねくねと上っていくと、左手に大きな木造の建物が見える。移住してきた当初から何の建物だろうかと気になっていた。そういう何か趣というか、味わいのある建物だった。ある人によれば、かつて小学校の体育館だった建物らしい。学校が廃校になり、校舎自体はなくなったけれど体育館だけが残っているのだそうだ。いつもは車を運転しながら横目に見るだけだったけれど、いつかもう少しよく見ようと思っていた。しばらくして僕は長い長い散歩に出かけた。町の風景を描くようになって町の色々な場所を写真を撮ってまわった。秋になってほとんどの田んぼで稲刈りを終えたような頃のことだ。そしてその散歩の途中、その建物に寄ることができた。いつも通る大きめの道から生えている細い下り坂を歩いて降りる。道の両側の草は長く伸びている。門もなにもなく、簡単に建物まで近づくことができた。窓から中をのぞくと、中は薄暗くいろいろなものが置かれた物置となっていた。ふと気が付いたとき、その建物は姿を消していた。詳しいことは知らないけれど、リニア関係の資材置き場としてその土地を使うことになったらしい。ベーカリー・ツキヨシというパン屋さんが瑞浪市の月吉町というところにあった。そこへ僕たちはよくパンを買いに行っていたのだけれど、このあいだ閉店してしまった。僕らがこの町に引っ越してくるとき、Mは自分の使っていた箒を軽トラックの荷台に積んできた。こっちに着いて荷を解いてみると、どうしてか箒はなくなっていた。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510843 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:272×192mm ※額縁は付属しません。
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135 廃屋
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510841 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510845 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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136 廃屋
¥5,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510843 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510846 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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137 秋の田
¥5,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510845 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510848 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:192×272mm ※額縁は付属しません。
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138 コンテナを洗う人々
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510846 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510851 ======= 画材:紙、アクリル絵具 サイズ:148×210mm ※額縁は付属しません。
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139 収穫のころ
¥9,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510848 ========== 9 月になった。だんだんと涼しい日もちらほらと顔を見せるようになってくると、多少の心のざわめきのようなものを感じないでもない。きっと今年もこうやって過ぎ去っていくのだろう今日は朝、ゆず組合の仕事を30 分くらいやりに事務所へ行って、その足で最近近所にできたパンケーキ屋さんの「パンドラ」なるものを食べた。割といい感じで、時々食べたい。まだオープンしたばかりで人気なのか、休日の昼時にはテイクアウトでも1時間待ちになるそうなのだけれど、今日は10:30 頃という時間帯がよかったのか、待ち時間ゼロでスムーズに買うことができた。家でつくるパンケーキとは触感が違う。どうやったら、このふわふわ感が出せるのだろう。そんな話をMとしていると、メレンゲを混ぜてるんだろうとのことだった。そのうち家でも試してみたいものだけれど、泡だて器がないので難しそうだ。そのあと頼まれていたスプーンを何本か削り、ペットの絵を2枚仕上げ、あまった絵具で2枚ドローイングをした。夕食はチャプチェにした。今日の出来事ととしてはそんなところだろうか。このごろ映画を比較的よく見ている。覚えている範囲で書くと「サルガドの地球へのラブレター」「インセプション」「キース・ヘリング」「クリムトとシーレ」「トレインスポッティング2」あと小津安二郎の「お茶漬けの味」なんてのも観た。これまで、すっと映画を見始めるとすぐに眠くなってしまって最後までなかなか見通せなかったのだけれど、最近はだんだんと見通せるようになってきた。毎朝の日課として映画に出てくる人のスケッチを10 枚描くというトレーニングをしているのが関係しているのだろうか、あるいは、この頃の僕が絵の表現の中に「物語性」のようなものを取り入れようとしているせいかもしれない。8月の製作のテーマは「連作」だった。複数枚の絵を組み合わせることで、そこには描かれていない「気配」のようなものを生み出せないかという試みなのだけれど、それをするのに映画とか漫画のやり方からいろいろと学ぶことがありそうだ。そういう風に何かを盗んでやろう、というような見方をするようになったのが、映画をみてて眠たくならなくなった理由なんだろうと思う。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510854 ======= 画材:紙、アクリル絵具 サイズ:273×220mm ※額縁は付属しません。
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140 稲刈り後の田んぼ
¥2,000
SOLD OUT
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510851 ========== 岐阜に移住して三度目の秋、お米作りも3年目だ。梅雨の時期にイモチ病が出てしまい、心配していたのだけれどそれほど拡大せずに収穫にこぎつけることができた。初期の段階で思い切って間引いたのが良かったかもしれないと思う。無事に稲刈りを終えて、ハザカケをして天日で乾燥した。ここまでは楽しい作業だったのだけれど、大変だったのはここから先だった。大型の台風が接近しているとのことで、慌てて稲を家の2階に運び込んで脱穀をすることにしました。僕は家と田んぼを何度も往復もして、Mは稲を抱えて階段を上り下り、なんとかすべて運びこむことができた。(田んぼが近くて、そして小さくて良かった...)そしてさらに苦労したのがここから先、今年はありあわせの材料で自作した「千歯こき」を使っての人力脱穀を試してみたのだけれど、これが思っていた以上に大変で二人で交代しつつの作業で5日もかかった上にこの先の選別作業を考えると籾摺り精米機に入れられる段階まではまだまだ遠いという状況……。千歯こきの調整が上手くないという話はある。千歯こきの発明はいまから300 年とか350 年とか前の話なんだそうで、それから大正時代に足踏み脱穀機が発明されるまではみんなこの方法で米をつくっていたんだと考えると、作業量の多さに気が遠くなる。千歯こき以前については……想像もできない。来年はどこかで足踏み脱穀機を入手するか作るかしたい。そして昨日、二人ともヘトヘトになりながらやっとのことですべて脱穀を終えた。最後に袋詰めしようとしたところ、あれ、なんか違和感・・・。乾燥していたはずの籾が湿っている・・・。においを嗅ぐとおしっこの匂い・・・。やられました。鍵をかけて猫が入れないようにしていたつもりだったけれど、目を離した隙に猫が用を足していたようです。一番警戒すべきはイモチ病でも台風でもなく、猫...。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510855 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:210×148mm ※額縁は付属しません。
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141 鍋
¥2,000
最初から読む→https://junota.base.shop/items/79412240 ひとつ前を読む→https://junota.base.shop/items/81510854 ========== ついこの間まで暑い暑いと言っていたのに、ここ数日で目まぐるしく季節はめぐり冬が来た。灯油を買って、ストーブを引っぱり出して、点火式をした3度目の冬だ。 今日の朝は鍋を食べた。昨日の夜に食べた鍋に白菜と大根を足したものだ。冬になって石油ストーブをつける時期になると、僕たちの食事は鍋ばかりになる。 今日の昼、僕らはまだ同じ鍋を食べている。蔵で見つけたでっかいホーロー引きの鍋、この鍋は魔法の鍋なんじゃないか、そんな気がしてくるくらいこの鍋で作った鍋は長持ちする。そのくらい大きくて、食べても食べても量が減らない。今日の夜も、僕らは鍋を食べた。明日の朝もこれを食べ、たぶん昼飯でやっと食べきることができるだろう。6食分、つまりはまる二日分の食事、まったくおんなじものを食べたわけだ。そうやって僕らは、鍋にうんざりするのだけれど、うんざりしながら、きっと明日の夜には、また鍋を仕込むのだろうと思う。なぜなら、鍋は楽だから。そして、やっぱりおいしいから。 続きを読む→https://junota.base.shop/items/81510858 ======= 画材:紙、アクリルガッシュ サイズ:148×210mm ※額縁は付属しません。