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134 姫栗小

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笠置橋を渡ってJA の向かい坂道をくねくねと上っていくと、左手に大きな木造の建物が見える。移住してきた当初から何の建物だろうかと気になっていた。そういう何か趣というか、味わいのある建物だった。ある人によれば、かつて小学校の体育館だった建物らしい。学校が廃校になり、校舎自体はなくなったけれど体育館だけが残っているのだそうだ。いつもは車を運転しながら横目に見るだけだったけれど、いつかもう少しよく見ようと思っていた。しばらくして僕は長い長い散歩に出かけた。町の風景を描くようになって町の色々な場所を写真を撮ってまわった。秋になってほとんどの田んぼで稲刈りを終えたような頃のことだ。そしてその散歩の途中、その建物に寄ることができた。いつも通る大きめの道から生えている細い下り坂を歩いて降りる。道の両側の草は長く伸びている。門もなにもなく、簡単に建物まで近づくことができた。窓から中をのぞくと、中は薄暗くいろいろなものが置かれた物置となっていた。ふと気が付いたとき、その建物は姿を消していた。詳しいことは知らないけれど、リニア関係の資材置き場としてその土地を使うことになったらしい。ベーカリー・ツキヨシというパン屋さんが瑞浪市の月吉町というところにあった。そこへ僕たちはよくパンを買いに行っていたのだけれど、このあいだ閉店してしまった。僕らがこの町に引っ越してくるとき、Mは自分の使っていた箒を軽トラックの荷台に積んできた。こっちに着いて荷を解いてみると、どうしてか箒はなくなっていた。


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画材:紙、アクリルガッシュ
サイズ:272×192mm
※額縁は付属しません。

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