111 眺め
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展だろうと思う。その時も一通り展示を見た帰りに、大きな作品集を買って帰った。実家の近所にBOOK・OFF ができたのは僕が高校を卒業してすぐのことだ。近所といっても自転車で行くと30分ほどかかる。国道16号線沿いの比較的大きな店で、そこでも僕は例のほしくてほしくて堪らなくなるような本を見つけた。それは布地でおおわれた立派な箱に入っているかなり大型で分厚い本だ。背中の所には金文字でLE LOUBRE と書いてあって、 LOUBRE のL だけ他の文字と色が違ってブルーだった。それが本棚にずらりと数冊並んでいた。僕はそのうちの1冊を棚から引っ張り出して、開いてみる。それはルーブル美術館の作品を載せた図集で、その巻にはレンブラントが特集されていた。印刷は美しく、レンブラントの光と陰とが曖昧になった画面が再現されていた。僕はその本がすっかり気に入ってしまって、すぐに欲しくなった。値段を見ると1冊5000円だった。本当は棚にあった分を全て揃えたかったけれど、そんなお金はなくて、というか1冊分のお金も手元にはなくて、一度お金をとりに30分自転車をこいで家に帰り、お小遣いを握りしめて復路の30分もこいで、そうして手に入れた。そんないくつもの記憶が芋づる式に掘り起こされてくる。ざっと思い出せる範囲で書いてみて、僕がほしくなってしまう本の傾向としては、まず大きいこと。そして手触り感のようなものがある本ということになるだろう。そして内容は文字ベースのものよりも絵や図、写真を主にしたものが多い。 そんな風にして買った本も結構いまは手元にいものが多い。ルーブル美術館の本は大学の卒業旅行の資金の足しに、と近所のBOOK・OFF に売ってしまった。たしか3000円とかだった気がする。コローの作品集もたしか同じような感じで売ってしまったし、百年の孤独はメルカリで二束三文で売ってしまった。 いま思うとそういう思い入れのある本たちが手元にないのは寂しいけれど、でもそのときそのときには、お金が必要だったり、引っ越しで物理的に持っていくことができなかったりで仕方のない選択だったのかなという気もする。いつか手放した本をもう一度手にできたらいいなと思うとけれど、そんな日は来るだろうか。「手製本」という術のことを知った。「本を贈る」( 三輪舎)という本の中で笠井留美子さんの文章を読んだのがきっかけだ。手で本を作る技術のことをルリユールと呼ぶらしい。 本を自分で作れる、そんなことそれまで僕は思いもしなかった。さっそく図書館で手製本の方法について書かれた本をいくつか借りてきてやってみた。糸を使って縫っていく本や「角背上製本」というハードカバーの本などを作ってみた。本当にできた。自分にも本がつくれる。僕は絵を描くのが好きだし、本を読むのも好きだし、文章を書くのも結構好きだけれど、それらと向き合いながらいつも自分がつくりたいのはもっ
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画材:紙、アクリルガッシュ
サイズ:272×192mm
※額縁は付属しません。
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