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38 庭園

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スの時間になる。バスはまだ来ない。バスや電車が遅れることは頻繁にあるようだったので、それほど気にしなかったけど、時間が経つにつれ、不安になってくる。10 分経ち、20 分経った。本当にこの場所であっているのだろうか、時間はあっているのだろうか……僕もそのその子もそわそわし始める。さらに5分か10 分して、遠くからバスが来るのが見えた。でもそれは僕が乗ろうとしているバスの反対方向のバスだった。あぁ、反対側か、と僕は思って、特に動かないでいたのだけれど、その女の子はそちら側に乗るらしく、荷物を手にして立ち上がった。彼女は乗れたらしい、僕は無事に乗れるだろうか……と思っていたら、あれ、何かおかしい。と思った時には遅かった。バスはスピードを緩めずそのまま通りすぎてしまったの
だった。彼女はバス停に取り残され、「いてたのに!いてたのに!」と悔しがった。「いてたのに何でなん!」どうやら、ここでバスに乗るときには、立ち上がって「いるよ!、バス待ってるよ!バス乗るよ!」とアピールしないといけないらしかった。もしかしたら道路の反対側で待っていたのが失敗だったのかもしれない。「あの、大丈夫?」「バス行っちゃった。」「ですね」「いてたのに……次のバスいつだろう。」「あ、僕、時刻表持ってる」見ると次のバスは4時間後だった。「こんなトコに4時間もいられない笑」僕が乗るバスまではあと30 分くらいあったので、少しのあいだ雑談した。大阪の大学生で。ポーランドとかルクセンブルクとかの方から、ドイツ、フランスときて、しばらくはイギリスなのだそうだ。どうしよっかな、どうしよっかな、としきりに言っている。バス停のそばに宿があったので、そこの人に言えば、タクシー呼んでもらえるんじゃない?と言ってみたりした。んー、タクシー使うのかーお金かかるなぁ・・・でもここに3時間はないなぁと悩んでいた。そしてそろそろ僕のバスが来るよって頃に、彼女はタクシーを呼ぶことに決めたらしく、そいじゃ、と言ってホテルの方へ歩いて行った。そして僕のバスが到着し、僕は、バスに乗って次の村へ向かう――そうなると思っていた、のだけれど、さて、バスの時間だ。もう来るはずだ。少し、遅れているのだろう。そういうことってよくあるらしいし。川のマスともだいぶ仲良くなった。バスを待つ。バスが来るはずの時間から、さらに30分ほど経った。あれ、いくら何でも遅すぎないか?しばらくして、先ほどの彼女が呼んだと思われるタクシーが目の前を通り過ぎた。そのタクシーは宿の前に停まり、そしてロンドンに向かって戻っていく。目の前を通り過ぎるとき、後部座席に乗っている彼女が見えた。あれ?バス乗ってないの?と彼女がときょんとした表情でこちらを見ている。通りすぎたあとも、バックウィンドウから彼女の顔がコチラを向いてるのが見えた。僕はここで迷った。ロンドン方面へ、つまり僕が行きたい方向と逆向

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画材:紙、アクリルガッシュ
サイズ:192×272mm
※額縁は付属しません。

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