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59 水辺の人

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それが今回行った湖は板チョコレートみたいなコンクリートで固められていて、緑色のアミアミのフェンスがあり、水面は自分の立っている地面から何メートルも下方にある。とても手が届かない。せいぜい石ころを投げ込めるだけだ。まぁ、とりあえず、湖の周りを歩いてみることにした。遠くで雷がなっている。家を出たときにはあんなに晴れていたのに。どこか座れる場所を探して、湖を眺めながら本を読んだり絵を描いたりしようと思っていたのだけれど、なかなかそういう風に落ち着ける場所がない。歩き続けていると、気がついたら車を停めた場所から湖の反対側まで歩いてきてしまった。草が伸び、あまり手入れされていない感じがする。途中ひとりのおじいさんとすれ違ったが他に人はいないようだった。そして、恒例のグリーンアドベンチャーがあった。グリーンアドベンチャーというのは、公園とかハイキングコースに置いてある木の名前当てクイズだ。日本中の公園に置いてあるらしく、僕もMもいろんな場所でこのグリーンアドベンチャーにチャレンジしている。東京にも千葉にもあったけど、まさか岐阜にもあるとは……。このごろいろんな種類の木に触れているからか、あるいは、グリーンアドベンチャーの経験を積んできたからか分からないけれど、正解率がややアップした。イヌツゲ、朴、メタセコイヤ、キンモクセイ、アカマツ... クイズの文字が書かれている板はもうだいぶダメージを受けているようで、文字や絵がかなり薄い。看板上部の札をめくると答えが書いてあるのだけれど、中には札が取れてしまって答えがむき出しになっているものもあった。ノンストップで僕らは歩き続けていた。時折、道端からザザッと何者かが逃げていく音がした。1匹だけヘビを見た。時々、通路の脇にベンチがおいてあるのだけれど、じめっとしていて、とてもそんな所で休む気になれなかったので、歩き続けてきてしまったのだった。途中ひらけた場所で休憩した。もう湖を3/4 周くらいしていた。ベンチに腰掛け、少しだけ本を読んだ。Mはベンチに横になり、僕の膝を枕にして昼寝をはじめる。そのままトーベ・ヤンソンの「誠実な詐欺師」という本をMに読み聞かせる。僕らの他には誰もいなかった。オールレーズンを食べ、ビーノを食べた。カルピスを飲んだ。まだ遠くで雷がなっている。心なしか冷たいような風が吹いてきた。雨が降ってくるといけないので車にもどった。その後は、もとの道を車でもどり家へ向かう。途中、「紅梅屋」という小さなスーパーに寄り道をしたけれど、二人ともお菓子の食べすぎでお腹がいっぱいだったので、何も買わずに店を出た。家に着き、風呂を沸かす。湯船にお湯をためている間、Мの絵をアクリルで描く。「なんかいつも老けて描かれるよね」と言われた。猫の絵を描こうと思っていたのだけれど、動き回るので難しかった。風呂に入り、晩ごはんを食べる。鶏肉とたまねぎ、エリンギ、

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画材:紙、アクリルガッシュ
サイズ:272×192mm
※額縁は付属しません。

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